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走って出て行った燕羽を見つめ、繭が言った
「燕羽はコウモリ」
「えっ?」
「今は和海に寝返ってる」
「嘘!だって・・・」
燕羽だって和海に傷付けられたはず
「繭が怪我をして和海が有利だと思ったんだろ?」
「そんな・・・」
「おまけに熱まで出したしね」
「楓が看病した」
「はい、ここで問題!繭が寝込んでいた時、来なかった奴はだーれだ」
「・・・・・・燕羽」
「正解」
確かに燕羽だけお見舞いに来なかった
「燕羽は次期社長になるから和海が甘い言葉でそそのかしたんだろうけど」
「情報を探って来たら美味しい餌をあげると言われた」
「信じられない」
「大切な人との思い出も忘れてしまったらしいね」
「バッジ・・・」
「いつも付けていたのに突然消えた、繭が楓を庇って刺された日から」
「多分、和海にこう言ったんだろ?大切なバッジはもう必要ありません」
「和海は燕羽を信用していないけどまだ使えると思った」
「だから俺達も気付かないふりをしてあげてたって事」
この二人はそこまで考えていたんだ
「パソコンのデータが消えたりする時に限って燕羽が来てたしね」
「俺はどうすればいいのかな?」
「とりあえずはこのままでいいと思う、その目で確かめたいだろ?コウモリの正体」
「・・・・・・・・・・」
「みせてあげる、すぐに」
そう言って繭はメロンを床に落として踏みつけた
むせかえるような甘い香りが漂う温室
「ちなみに、さっきのウサギを殺したのは燕羽」
「えっ?」
「バッジだけじゃ和海は信用しないしな」
「そこまでして」
「人間は甘い汁が大好きだから」
「・・・・・・・・」
信じられないけど、きっと本当なのだろう
もう誰を信用していいのかわからなくなるね
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