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繭の怪我も完治して、俺達は普通の学園生活を送っていた
「じゃ、楽しんで来てね」
「ああ、また月曜日」
「うん」
葵と華は久しぶりに街に出てデートらしい
すごく青春って感じだね
俺達は寮の談話室でカードを楽しんでいた
「あのさ、何も賭けないのはつまらないから負けた奴は秘密を話すと言うのはどうかな?」
「面白そう!やろうよ」
話にすぐ飛びついたのは燕羽だった
かなり甘い餌をバラまいたわけだし飛びついてくれなければ困る
「俺は疲れたから少し抜けるね」
「じゃ、俺と繭と燕羽の勝負だな」
「だねっ!」
俺は抜けて三人から離れた
「まじかぁ~!燕羽、お前強いな」
「ラッキー!」
「繭が負けるのは珍しいから雪が降るな」
「・・・・・・・・」
繭がバレないように負けるのも作戦だった
あっさり負けたらばれてしまうしね
「んじゃ、繭・・・お前の秘密を」
「その前に、飲み物持って来る」
「わかった」
燕羽が席を離れた
向かった方向は和海の部屋
結構面白いかも
そして燕羽が飲み物を持って戻って来た
「お待たせ、はい翔」
「サンキュー・・・あっ、ごめん」
グラスを落とす作戦なんてあったかな?
「ホント、ごめんね」
「いいよ、大丈夫」
翔は燕羽の濡れた服をハンカチで拭いていた
「じゃ、さっきの続きを」
「だな、繭」
「僕の秘密・・・」
「そっ!ここにいる俺達しか知らないような秘密だぞ?燕羽、もちろん誰にも言わないよな?」
「当たり前だよ!」
全く動揺せず頷く燕羽
普通なら絶対バレないね
「何かないのか?」
「・・・・・・・・・」
「絶対言わないから」
絶対ね・・・
一番信用出来ない言葉だね
「繭、言えって!」
「そうそう」
「誰にも言えない・・・秘密」
「言わない!」
「約束」
「うん、約束」
「じゃ、話す」
「何だ?俺達がびっくりするような話だろうな?」
「多分」
「なになに?」
「僕・・・遺言書を持ってる」
「ちょ!お前・・・洒落にならないぞ、あり得ないだろ?」
翔の演技も上手いね
驚き方が絶妙
「そ、そうだよ・・・どうしてそんなものを繭が持ってるの?おかしいよ」
「だから秘密・・・18になるまで開けない約束」
「それってマジ?」
「うん」
「冗談でしょ?」
「持ってる」
「あのさ~、俺の目は誤魔化せないっての!」
「だよね」
「・・・・・・・・・」
「繭、残念!」
「見せる」
「えっ?」
「開けなければいい」
「お前・・・本当の話なのか?」
「うん」
「開けないから見せて欲しいな」
「だよな、俺もまだ信じられないし」
「わかった、待ってて」
そう言って繭は部屋に向かい、例の物を持って席に着いた
「これ」
「その箱の中に?」
「うん」
綺麗なカギを外し、箱の中から取り出した
「すぐばれるって!どれどれ・・・」
「・・・・・・・・・・」
「本物」
「マジかよ・・・この紋章の封蝋、お前」
「その封蝋は彩流寺の・・・どうして繭が?」
燕羽も動揺していた
動揺と言うか、大物を手に入れた時のような表情だった
「もうしまう」
「だ、だな・・・」
「その方がいいよ」
繭はカギをかけ、ポケットに入れた
燕羽はそれを見逃さなかった
「しかし驚いたよな、あれ本物だぞ」
「うん、間違いないね」
「まさか繭が持っていたとはね」
「封蝋するのは当主のみ・・・だったよね?翔」
「だな」
「やはり本物なんだ」
「そう言う事だ、びっくりしすぎて汗かいたし」
「俺も」
その後怪しまれないようにしばらく話をして燕羽が先に消えた
繭と翔はまた顔を見合わせて微笑んだ
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