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次の日、当然燕羽の顔はやつれていた
当たり前だよね、両方にいい顔をしたコウモリのラストなんて目に見えてるしね
「あっ、繭、楓おはよう!」
俺は繭の出方を見る事にした
「繭、信じてくれたよね?」
「楓、今日は合同体育の日」
「うん」
「マット」
「気が重い」
「マットなら出る」
「そうだね」
「うん」
「あのさ、繭?」
「何ですか?」
「やめてよ、俺昨日頑張ったでしょ?」
「頑張るとは何をですか?僕にはよくわかりません」
「繭!俺を利用したの?」
「可笑しな事を・・・利用されたのは僕達の方では?」
「それは・・・だけどっ!」
「まだ1年ありますよ、でも1年しかありません」
「・・・・・・・・・」
「甘い汁を吸いたいなら今のうちです」
「繭!楓も何か言ってよ」
「楓、遅れる」
「そうだね」
ここまで冷たく出来る繭に少し驚いたけど、自業自得だね
「燕羽が心配?」
「心配とかではなく、哀れだなって」
「可哀相だって思ってる?」
「よくわからないな」
「・・・・・・・・・・」
「人間なんだからお金の魅力には勝てないと思うしね」
「一度裏切った人間は信用出来ない」
「そうだね」
特に繭は絶対許さないだろうしね
俺が一番よく知ってるから何も言えない
「楓!お前が出るなんて珍しいな」
「マットの授業は出ると約束したから」
「俺は苦手だ」
「葵は体が硬いしね」
「それな~」
マットどうのより俺はあの独特の匂いが苦手
すごく汚そうな匂いだし
「と言うかさ、今更前転とかどうなの?」
「逆に難しいよね」
「だよな」
「おっ、イオちゃんの番だ」
「華は上手だね」
「だな、繭君の番だ」
さすがとしか言いようがない
ハムスターみたいに転がる姿が可愛い
「楓、お前の番」
「目が回る」
マットの匂いが髪に染み込みそうでいやだな
仕方なく前転をして髪をかき上げた
「じゃ、それぞれ好きな組み合わせで!」
そう言うのが一番困る
何をしろと?
「俺は転がるだけにしよう、苦手だし」
「俺は髪をマットにつけないようにしたい」
「いいんじゃない?好きな組み合わせなんだし」
その時、歓声が上がった
「すごいな、繭君・・・高校レベルのマットじゃないだろ」
「だね」
側転からのロンダート、バク転、バク宙か
繭にしてみれば簡単すぎる技だね
「楓の番だけど、前転か?」
「髪は付けたくないし繭と同じでいいかな」
「おいおい・・・軽く言うなって」
「取り合えず終わらせて来る」
「その後俺は笑われるのか?」
「葵の前に授業は終わるよ」
「そう願いたい」
サクッと終わらせて休もう
「お前も簡単にやるよな」
「そう?」
「おっ、イオちゃんがブリッジをやると足がすごーく綺麗に見えるよな」
「体が柔らかいね」
「だな」
久しぶりに真面目に体育の時間を過ごしたかも
「楓」
「繭、上手」
「楓も上手」
「みんな上手かったよ」
「久しぶりに体の筋を伸ばしたから気持ちよかった~」
「華は楽しそうだね」
「すごく楽しい、でも次は物理・・・気が重い」
「楓は何?」
「次の授業は自習かな」
「さぼるんだ」
「体が痛いしね」
「またお昼休みに行く」
「うん、またね」
着替えるのが面倒臭い
でも、マット臭いし・・・
急いで着替えて、屋上に向かった
今日は寒いし、屋上で光合成でもしよう
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