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君は戦士
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繭は生徒会で忙しそう
もうすぐ学園祭だしね
少し痩せたみたいだし、心配だな
「楓、お腹空いた」
「お帰り」
「ただいま・・・楓」
「お疲れ様」
繭が少し変わった
帰って来ると同時に俺に抱き着くのが習慣になっていた
「先に食堂に行く?」
「うん」
「じゃ、行こう」
手を繋ぐのは当たり前
俺はスーツ姿の繭を思い出していた
意外と・・・男らしかった
「楓は座ってて」
「繭が座ってて、疲れてるし」
「大丈夫」
「わかった」
男らしいのはここでも同じか
見掛けとは正反対だしね
可愛いけど、男らしいとか・・・
「おや、繭が動いているとは」
嫌な奴が来た
「俺、動物アレルギーだから寄らないでくれる?」
「動物などここにはいませんが」
「連れて歩いているのは動物でしょ?」
「貴方も繭に似て来ましたね」
「和海様に失礼だぞ!」
どっちが失礼なんだろうね
しかも最近のうさぎは凶暴で困る
フォークは凶器じゃないんだけどな
「邪魔」
「ぐっ!」
「素敵ですよ、愛しい人を護るナイトのようですね」
繭が戻って来た
ついでにうさぎの首を掴んで投げ飛ばしてるし
相変わらずお見事
「黙れ」
「たまには遊んで差し上げましょう」
「遊ぶ?殺すの間違いだろ」
「クスッ」
そして目の前で、乱闘騒ぎ
慣れてるとは言え、目の前をナイフが飛び交うのはどうなんだろう
「繭!」
「おや、どうしました?」
繭が蹴られてよろめいた
やはり疲れているのかも
「いい加減にしてくれないかな?」
「楓、危ない!」
「俺は大丈夫だから」
「じっとしていて」
「うん」
俺を庇っているから繭の動きが鈍いんだ
俺ってそんなに弱いのかな?
「生意気なガキですね」
「弱点ばかり責めるお前は子供以下」
「当たり前でしょ?」
「くっ!」
繭の背中を思い切り蹴飛ばすとか許せない
「繭、大丈夫?」
「貴方も狂犬でしたね」
「そうだね」
「楓、離れて!」
「目障りな髪を切って差し上げます」
「・・・っ!」
繭を守る為だから髪なんかどうでもいい
目の前に散らばる髪を見つめ、やはり殺そうと思った
「楓の髪・・・許さない」
一瞬の出来事だった
繭は和海の頬をナイフで切りつけた
白い頬から流れる赤い血
「本気になるとは、驚きました」
「次は切り刻む」
「それは困りますね、ではまた」
「和海!」
「繭、もうやめよう」
「許さない、楓の髪を・・・僕が・・・ごめんなさい」
「繭のせいじゃない、それに髪なんてすぐに伸びるから」
「絶対許さない」
「繭、今夜は何?」
「カキフライとキノコの味噌汁と小松菜の和え物」
「美味しそう、カキフライ大好き」
「楓」
「食べようよ」
「・・・・・・・・」
悔しくない訳じゃない
でも繭が怪我をするよりはいい
「騒がしかったけど・・・って楓、どうした?」
「あいつが切った、許さない」
「ムカつくな・・・大丈夫か?」
「大丈夫だよ」
「ごめんね、もっと早くに来ていたら」
「翔のせいじゃないし、すぐ伸びるから」
「違うだろ!すぐ伸びても楓は傷付いてるだろ」
「まぁ・・・かもね」
「あの野郎、思い切り切りやがって」
「楓の黒髪」
「もういいから食べよう」
「楓、来て」
「えっ?」
繭に手を引かれたまま学園を出た
「繭?」
「ヘリで行く」
「どこに?」
「美容院」
「えっ・・・」
「そんな髪型似合わない」
「ごめんね」
「楓が悪いんじゃない」
繭はかなり怒っていた
俺の分まで怒ってるみたい
そのまま美容院に行き、カットしてもらった
まぁ、イメチェンだね
「似合う?」
「似合うけど許さない」
「繭、お腹空いてるでしょ?」
「大丈夫」
「何か食べて帰ろうか」
「でも」
「これならバレないしね」
「うん」
そして繭の案内でレストランに向かった
繭の案内・・・想像以上だった
「ここはカキが美味しい」
「そうなんだ」
「カキフライも美味しい」
「うん、繭に任せる」
「わかった」
そして・・・
「豪華すぎるカキフライだね」
「美味しい?」
「すごく美味しい」
「うん」
学食のカキフライが豪華になった
そう言えば俺、繭にエスコートされてばかりかも
でも、別に嫌じゃないし・・・うん
あれ?
俺、もしかして護られてるのかな?
この小さな戦士に・・・
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