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俺、生きてる?
「いででっ!」
でも刺されたのは本当らしい
誰が治療をしてくれたんだろう
あそこにいたのは繭達と和海様と冬矢様
俺を刺した和海様が?
絶対それはない
じゃ、冬矢様?
それも無いかな
後は繭達だけど絶対ないと思う
「俺、死んだ方がよかったな」
喉が渇いたけど動けない
甘いフルーツが食べたい
ルームメイトは学校へ行ってるしどうにもならない
そもそもそんなに仲良くないしね
と言うか、死にたいとか言っててもお腹が空くのが笑える
「お水・・・机の上のお水だけでも」
「いででっ!」
少し動いただけなのに激痛とか有り得ない
でも歩いて取りに行かないと
「くっ!めちゃ痛い・・・」
もう少しで起き上がれそう
頑張れ・・・
「うわっ!いったい!!」
何やってるんだろう
ベッドから落ちるなんて
「何やってんの?」
「翔・・・どうして」
「俺だけじゃないけど」
「繭・・・」
「燕羽はサルですか?」
「・・・・・・・・」
繭は床に落ちた俺を抱き上げてベッドに寝かせてくれた
どうして?
「喉乾いたんじゃない?」
「うん、すごく」
「レモネード持って来たけど飲むか?」
「飲む!」
「ほら」
翔の飲ませてくれたレモネードはほんのり酸っぱくて美味しかった
「落ち着いて飲めって!」
「美味しい」
「だろ?」
「うん、ありがとう」
「あとはこれだ」
「メロン・・・」
「好きだろ?」
「まだ怒ってるよね」
「ばーか!単にお前が好きだから繭が用意したんだよ」
「えっ?」
「他に好きな物があるのですか?」
「ううん、メロン大好き」
「召し上がれ」
「ありがとう」
口の中に入れてもらったメロンはとても甘くて美味しかった
それにすごく心が温かい
優しさに触れたのも久しぶりで思わず涙が零れ落ちた
俺は裏切ったのにこの二人はとても優しい
「うっ・・・」
「泣くなって」
「うっ・・・うきっ」
「お前はやっぱサルだな!」
「サルでいいもん・・・嫌だけど」
「もう少し食べるか?」
「食べる」
「口開けろ」
「うんっ」
「燕羽、傷は痛みますか?」
「うん、でも俺が悪いんだ」
「では、痛み止めを」
「繭の薬だから良く効くぞ」
「ありがとう」
「食べたら飲んで少し寝ろ」
「許してくれるの?」
「お前、もうウサギはやめろよ」
「もうしない」
「約束できるか?」
「出来る!」
「そのヘアピンはプレゼントです」
「あっ、綺麗」
「外すなよ?」
「うんっ!ありがとう」
髪に綺麗なヘアピンがついていた
プレゼントなんて初めてだからすごく嬉しかった
薬を飲んだからかな
すごく眠い
翔と繭は笑っていた
よかった・・・本当によかった
「眠ったな」
「うん」
「まさか泣くとはね」
「すごく軽かった」
「まともな食事もしていないんだろうな」
「夕方また来よう」
「だな、じゃ戻るか」
「うん」
実は繭から様子を見に行こうと言って来た
少しびっくりしたけど、俺は嬉しかった
しかもメロンまで用意してるしね
「あいつの正体はサルだったんだな」
「コウモリよりはマシ」
「だな」
これからは仲良くやれるような気がした
そんな気がしたんだ
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