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そろそろ三時
目が覚めたら翔と繭はいなかった
「燕羽」
えっ?
冬矢様・・・
「どうぞ」
部屋にやって来たのは冬矢様だった
どうして?
「食事制限はされていないからおやつを持って来た」
「おやつ?」
「チーズケーキだ」
「大好き!」
「そうか、今お茶を淹れる」
「そんな事は」
「気にするな」
「はい」
信じられない
あの冬矢様がお茶を淹れてるなんて
「砂糖は?」
「二つで」
「わかった」
「少し体を起こすぞ」
「はい」
俺の体を優しく起こしてくれた
「大丈夫か?」
「はい」
うわっ・・・
こんなに間近で冬矢様を見るのは初めてだ
それに話をしないイメージがあったしね
「食べろ」
「いただきます」
チーズケーキはとても美味しかった
しかも俺の好きなスフレタイプのチーズケーキだし
すごくふわふわで口の中で溶けてしまう
紅茶も香りがよくて美味しかった
「美味しかったです」
「そうか、じゃな」
「ありがとうございます」
もしかして冬矢様は優しい?
おやつまで持って来てくれたしきっと優しいんだ
「燕羽、起きてる?」
今度は楓だ
「うん」
「入るよ」
「楓、ごめんなさい」
「プリン持って来たんだけど食べる?」
「あの」
「もういいよ、十分反省したでしょ?」
「うん」
「はい、プリンと例のドリンク」
「あっ、もしかして並んだの?」
「そうだね」
「ありがとう!」
綺麗な色のドリンクを買って来てくれたんだ
嬉しいな
「早く食べないとなくなるよ?」
「あっ!食べる」
楓もプリンを食べていた
繭達の絆ってすごいんだな
俺もその仲間になれたら嬉しいな
「あれ、色が違うね」
「新商品だって」
「そうなんだ」
ブルーがかった虹色のドリンクはほんのりミントの香りがした
「美味しい」
「よかった」
「今更だけど、ものすごくプリンを食べるんだね」
「そうかな?」
「そうだよ!」
「もういらないの?」
「食べる!」
俺は二個目のプリンを食べ始めた
チーズケーキの後にプリン
一気に太りそう
「そろそろ授業が終わるね」
「うん、来てくれてありがとう」
「早く出て行けって?」
「違うよ!」
「そう」
「うん」
「綺麗なヘアピンだね」
「繭がくれたんだ」
「良く似合うよ」
「ホント?」
「うん」
「あのさ、楓」
「どうしたの?」
「お願いが・・・あるんだけど」
「お願い?」
「うん、あのね」
楓は何をしているの?
さっきまで普通の会話だったのに、急に静かになった
ーごめんね、どうしても我慢できなくてー
ーうん、痛くない?-
ー大丈夫、あっ・・・もう少し強くー
ー血が出るかもー
ー大丈夫ー
ーどう?-
ーもっと動かしてー
ーわかったー
ーあっ、だめっ・・・そこはっー
ー気持ちよくない?-
ーいいけどっ、あっ・・・くすぐったいー
「ちょ!繭君?」
「ムカつく」
「いやいや、盗聴器を壊してどうするんだ?」
「行って来る」
「はいはい」
何となく気になって燕羽の様子を伺っていたら楓の声がした
プリンを食べるのはいい
でも、その後二人は何をしてるの?
「楓!」
「繭、どうしたの?」
「・・・・・・・・」
「ごめんね、背中がかゆくて我慢できなかったんだ」
「背中」
「うん、手が届かないから楓にお願いしてかいてもらってる」
「・・・・・・・・・・・」
「繭?」
「紛らわしい!」
「ところでどうしたの?」
盗聴器の事は言えない
「楓を捜していました」
「俺?」
「でも、もういいです」
「いいの?」
「はい」
「繭、勘違いしたのかな?」
「勘違いって?」
「いえ、何でもありません」
言えない
言えないから困る
「燕羽、繭が帰って来たからそろそろ行くね」
「うん、ありがとう」
「またね」
「また」
部屋を出て、楓を見つめた
「繭、勘違いしたから慌てて来てくれたの?」
「・・・・・・・・・」
「嬉しいな」
「燕羽が変な声を出してた」
「だね」
「もうダメ、体に触れるのは禁止」
「わかった、でも怪我人だし」
「孫の手を用意する」
「だね」
今更だけど・・・繭ってかなりのやきもち妬き屋さんだった
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