アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-
「・・・・・・・」
「食べないのか?」
「食べます」
ここ毎日、冬矢様がおやつの時間に来てくれる
どうして?
「聞きたくない話だと思うが」
「はい」
「和海がお前を刺したおわびとして」
「・・・・・・・・」
「クビにはしないと言っていた」
「俺はそれに対して何て言えばいいんだろう」
「そうだな」
「こうなった以上、俺が学園にいられるのもいつまでかわからないし」
「何故?」
「母親だけではここの学費は払えないし・・・安くはないし」
「離婚はしていないんだろ?」
「そうだけど、和海様を裏切ったわけだし」
「お前はここが好きなのか?」
「好きだよ、色々あったけど今はすごく楽しい」
「なら余計な事は考えるな」
「でもっ」
「お前がここにいたいのなら余計な心配はするな」
「するよ・・・楽しいから気になるんだ」
「じゃ、何かあったら俺がお前の学費を払ってやる」
「だめ!そんな事をしてもらう理由がない」
「貸すと言うだけだ、卒業したら少しずつ返してくれればいい」
「だけど」
「今は怪我を治す事だ」
「冬矢様」
「明るい未来を想像した方がいい」
「・・・・・・・・・」
明るい未来
そんな事考えた事も無かった
だけどいつまでも学生ではいられないんだ
「そんな顔は似合わないな」
「こういう顔だし」
「俺は笑顔のお前が好きなのに」
「えっ?」
「じゃ、そろそろ行くよ」
「ありがとうございます」
俺、どうしてドキドキしてるんだろう
手が届かない人を好きになってはダメ
それに俺を好きとは言っていないしね
「ど、どうしよう・・・心臓が痛い」
「あばばば・・・落ち着け俺」
少し寝よう
そうすれば落ち着くかも知れない
「一人で騒がしい奴だな」
「久しぶりに見た冬矢の素顔だね」
「だな、面白い展開になって来た」
「本気だと思う?」
「まだわからないな、和海が刺した償いかも知れないし」
「あんな弟どうなってもいいのに」
「だよな」
俺達のマイブームは盗聴になっていた
信用していないわけじゃないけど、繭がくいついてるし
「楓が心配な訳?」
「・・・・・・」
「これって楓を信用していないって事かな?」
「信用はしているけど、触れるのはダメ」
「背中ぐらいいいじゃん」
「ダメ」
「あっそ」
燕羽の心配じゃなくて楓の心配かよ
気持ちはわかるけど・・・なんか面白い
「おい、この声」
「・・・・・・・・・・」
ーまだ生きていたとはー
ー和海様ー
ー中途半端に生きていられるのが一番目障りなんですー
ー出て行けー
ー燕羽、ウサギに戻りなさいー
ー・・・・・・・・-
ー全て保証しますよ、いい話でしょ?-
ー絶対嫌だ!二度とウサギにはならないー
ーそうですか、本当に殺しますよー
ーうぐっ!-
「あの野郎、行くぞ」
「殺す」
まさか和海が来るとはね
このままだと本当に殺されてしまう
急いで燕羽の部屋に向かい、ドアを開けた
「燕羽!」
「翔・・・」
「目障りなのはお前」
「友情ですか?脆く儚い」
和海は繭に任せよう
「大丈夫か?」
「うん」
傷口から出血している
あの野郎、本当にムカつく
「繭!本気を出せ」
「うん」
繭の動きが変わった
和海が攻撃をかわせずよろめいた
「まだそんな力があったとは」
「黙れ」
「翔、大丈夫か?」
氷龍も来た
「これでは分が悪い、今日の所は退散します」
「待てよ」
「何ですか、翔様」
「二度と燕羽に手を出すな」
「嫌だと言ったら?」
「ここでお前を殺す」
「仕方がありませんね、わかりました」
「今度ここに来たら俺がお前を殺す」
「翔様に嫌われるのは困りますので、もう相手にはしません」
「出て行け」
「ええ」
本当にムカつく
「氷龍、燕羽を」
「ああ」
「繭、大丈夫か?」
「うん」
「傷口が開いたけど大丈夫だ」
「燕羽、少し我慢な」
「うん、大丈夫」
必死に痛みを堪える燕羽
動けない相手を殺そうとするとはね
さすがにムカついた
「繭、薬を」
「持って来る」
「あと包帯も足りない」
「わかった」
和海の約束など信用出来ない
じゃどうする?
ずっと見張るわけにも行かないし
「これで足りる?」
「十分だ」
「薬はこれ」
「燕羽、飲め」
「みんな、ありがとう・・・嬉しいな」
「お前は約束を守った、もう心配するな」
「うん」
「燕羽を移動させた方がいい」
「そうだな、俺達の部屋に連れて行こう」
「うん」
燕羽が眠った後、俺の部屋に移動させた
俺の部屋までやって来ないだろうしね
繭は何かを考えていた
これから先の事だろう
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
91 / 169