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燕羽が車いすで食堂に来れるようになった
もちろん冬矢も傍にいた
「燕羽、こっち」
「うん」
食欲もあるし、すぐ歩けるようになるかもね
よかったよかった
「冬矢が車いす係?」
「俺はいいって言ったのに」
「いいんじゃない?やらせてあげれば?」
「周りの視線が怖いんだよ・・・はぁ」
「燕羽、和食と洋食どっちがいい?」
「ハンバーグ!」
「わかった」
「楓もハンバーグ?」
「うん」
「持って来る」
「ありがとう」
「嬉しいな、みんなでこうして食事が出来るなんて」
「大袈裟なんだよ!」
「だって」
「ほら、たくさん食べろ」
「ありがとう」
確かにみんなの視線が痛いな
仕方ないか、冬矢がここにいるのが不自然なわけだしね
「おや、珍しいメンバーですね」
和海だ
繭は何も言わずに食べていた
冬矢に任せるつもりか?
「燕羽、傷の具合は・・・」
「やめろ」
驚いたね
燕羽に触れようとした和海の腕を掴んだ冬矢
掴まれた腕は石のように動かなかった
「冬矢・・・」
「燕羽に構うんじゃない」
「まさか貴方の口からそんな言葉が出るとは」
「もうお前の好きにはさせない」
「おや」
「お前のうさぎの飼育は自由だ、だが燕羽はうさぎではない」
「私の使い古しでいいのですか?」
「消えろ」
「すぐ飽きるのでしょ?戻って来るのを待っていますよ」
和海が大人しく引いた
繭は黙ってパンを食べていた
「俺・・・そうだよね、使い古し・・・ははっ」
「くだらない事を言っていないで食べろ、美味いぞ」
「でも本当の事だから」
「もうその話はしなくてもいい」
「だけど」
「燕羽」
「繭、顔が怖い」
「冬矢がいいと言っている言葉の意味を理解して下さい」
「理解?」
「そんな貴方でもいいと言っているのでしょ?」
「冬矢様」
「いいから食べろ」
「はい」
「繭」
「何、楓」
「そんな貴方って言うのはどうなのかなって」
「・・・・・・・・・・」
「いいんだ、仕方が無いし」
「そうですね、謝ります」
「いいって、ホントに・・・でもね、俺やられてないから」
「へっ?」
「それは嫌だったから、もちろん殴られたけど」
「すごいな、お前」
「どうしても嫌なんだ・・・」
「にんじんならいいんだ」
「繭、思い出すなって!」
「人参?」
「こっちの話だ」
「俺はいつも身の回りの世話をしていただけ」
「よかったな、冬矢」
「過去の過ちは興味は無い」
「そっか」
「あの、冬矢様」
「何だ」
「どうして俺を護ってくれたの?」
「ぶはっ!」
「ぷっ・・・」
「翔達はどうして笑ってるの?」
「いや、まぁ・・・ごめん」
「鈍い人ですね」
「ん?」
「いいから食べろ」
「だな、冷める前に食べよう」
「うん」
確かに疑問だよな
きっと冬矢は気持ちを伝えていないだろうしね
「ところで質問だが」
「何、冬矢」
「繭は誰かと付き合っているのか?」
「冬矢、殺す」
「繭、落ち着け」
「えっ、まさか楓?」
「まさかってどういう意味?」
「いや、そうだったのか」
「見ればわかる」
「いや、わからなかった」
「なっ!」
「楓、繭は男らしいだろ?」
「そうだね、とても」
「小さくても強いしな」
「小さいは余計!」
「しかし繭がね・・・すごいな」
「なにがすごいの?」
「いや・・・身長差はいくつぐらいかなって」
「冬矢、ムカつく!」
「冗談だよ」
「冬矢ぐらいだよな、繭に身長の事を普通に突っ込むのは」
「将来は168センチになる予定」
「じゃ、煮干しを食べないとな」
「繭はそのままでいいよ」
「楓まで・・・」
確かに大きい繭は想像つかないな
見てみたいけど、やはり繭はこのままがいいな
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