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「んで、どうする~?」
「退学は取り消せるでしょ?翔なら」
「まぁね」
「でも、問題はそこじゃない」
「だな、そこじゃない」
「燕羽が学園に残るのなら和海からのクソありがたい話は消える、そして燕羽の家族も消える」
「あいつは家族が大切だと思うか?」
「家族より金を選んだ父親に何を求めるの?」
「選択肢は二つ」
「何?」
「一つは和海と同じ条件で父親を納得させる、退学は取り消してもらう」
「もう一つは?」
「燕羽に選ばせる・・・答えはわからない」
「僕はそこまで優しくはない・・・違う?」
「だな、そこまでしてやる義理は無い」
「じゃ、選択肢は一つ」
「燕羽に選ばせるしかない」
「うん」
俺達は燕羽がいる部屋に向かった
「入るぞ」
「どうしたの、二人して」
「さっきお前の父親が学園に来た」
「えっ?」
「これを渡された」
「それって・・・退学届け?」
「和海がお前の父親にビジネスの話を持ち掛けてそれに乗った、条件はお前が退学する事」
「そんなっ!」
「ここからの質問はよく考えて答えろ、お前がどうしたいかと言う事だ」
「意味が分からない」
「退学を無理に取り消せば当然ビジネスの話は流れる、親は学費も払わないだろうし結局お前は退学するしかない、ついでに父親は母親を捨てるかも知れない」
「・・・・・・・・・」
「じゃ、どうする?お前がここを辞めて家に戻るのか?」
「家に燕羽の居場所はありますか?」
「俺は母親の事が好きだった、女手一つで俺を育ててくれた・・・だけど突然あいつがやって来た・・・俺は突然居場所を無くした」
「お前はどうしたいんだ?お前を捨てた母親の傍で暮らすのか?」
「昔の母親は好きだった、だけど再婚した母親は嫌い・・・俺より服やバックを愛するようになった、何度も俺は言ったんだ・・・また二人で暮らそうって、でも母親は俺なんか見えていなかった、俺は居場所が欲しくてこの学園に来たんだ・・・違う、和海の御機嫌取りの為・・・でも俺はっ・・・嫌なんだ、俺の居場所はどこにも無い」
「決めろ、お前は家族を捨てられるか?」
「あんな家族でもいないよりはマシ、だって俺はずっと一人ぼっちだったんだ」
「今は違うだろ?」
「どう言う意味?」
「お前は一人じゃない」
「だけど卒業したらまた一人になる」
「冬矢がいるだろ?」
「冬矢様・・・無理だよ」
「じゃ、お前は戻るんだな?」
「それは」
「一人になるとかじゃない、お前はどうしたいかを聞いているんだ」
「俺は・・・ここにいたいよ、だってここはとても暖かい場所だから」
「それが答えか?」
「先の事を考えるとすごく怖いよ、でもここが俺はここが好きなんだ、翔も繭も楓も大好きだから」
「だってさ、繭」
「燕羽の気持ちはよくわかりました、ではどうせなら父親に恩を売りましょう」
「へっ?」
「燕羽に何も言えなくなるような恩です」
「でも」
「僕が燕羽の父親にビジネスの話を持ち掛けます、和海よりいい話を上乗せして」
「・・・・・・・・・・・」
「権限は全て燕羽のものです、父親は燕羽に頭を下げるしかないように仕組みます」
「だけどっ、そこまでしてもらう理由がない」
「これからは燕羽が父親と兄を動かせばいいのです、仕返しも出来ます・・・事実上燕羽が社長になるのですから」
「ええっ!」
「いいんじゃない?お前が実権を握れば素顔が見れるかも知れないし、もし離婚してもお前には会社がある、だから母親はお前から離れられない」
「・・・・・・・・どうしてそこまでしてくれるの?」
「繭は悪魔だから」
「悪魔って」
「どうしますか?僕の話に乗りますか?」
「乗るよ、ありがとう繭」
「ではこの退学届けは破り捨てます」
「うん」
ホントに繭は優しい奴だな
結局、燕羽を助けてやるんだからさ
しかも居場所まで用意してあげるとはね
「では僕は出掛けて来ますので」
「気を付けてな」
「繭、ホントにありがとう」
「話したくない事を話してくれたお詫びです」
「じゃ、燕羽はもう何も考えずに寝ろ」
「翔もありがとう」
「俺も用事があるから」
「うん」
「ゆっくり休め」
「わかった」
部屋を出て、生徒会室に向かった
「冬矢、和海は?」
「出掛けると言っていた」
「説得は?」
「したつもりだ・・・翔」
「ん?」
「すまない」
「何?」
「和海に翔の事をばらしてしまった」
「ばらされては困る事が多すぎるけど、何をばらしたの?」
「学園の話だ」
「あ~、結構まずいかもね」
「どう言う意味だ?」
「和海は父親を殺すつもりじゃない?」
「えっ?」
「和海の脳内ならそうすると思う」
「まさか・・・翔」
「俺を動かすと高くつくよ」
「構わない」
「わかった」
あんな父親でも助けたいのかな?
俺はどっちでもいいけどね
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