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繭は毎日俺の傍に居た
学校は?
「繭、生徒会とか大丈夫?」
「ここで仕事をしてる」
「俺はもう大丈夫だよ?」
「ダメ!退院するまでここにいる」
「単位とか平気なの?」
「翔がいる」
「成程ね」
「それと、もう大学過程も終了してる」
「ん?」
「海外で中学の時、飛び級で卒業してる」
「えっと・・・じゃ高校も卒業してるんじゃない?」
「復讐の為に高校生をやり直している」
「そう」
よくわからないけど、翔が学園を所有しているし大丈夫だろう
「楓、りんごむいた」
「ありが・・・プッ」
「!!」
「ごめんね、皮の方が分厚いなーって」
「練習する」
「いいよ、食べさせて」
「うん」
一口で食べられそうなりんごを口の中へ入れてもらった
「美味しい」
「よかった」
「もしかして、翔の温室から?」
「うん」
「美味しいはずだね」
「楓」
「ん?」
「腕は今までどうりちゃんと動くって!」
「うん」
と言うか、撃たれたのは背中だしね
腕を庇うには背中しか無かった
「じゃ、ライブに来れるね」
「必ず行く」
「うん」
テーブルの上には沢山の書類が積まれていた
生徒会だけじゃ無さそうだな
会社の書類もあるに違いない
「繭、仕事忙しい?」
「平気」
「無理しないでね?」
「うん」
私服の繭を見るのは久しぶりだな
白いブラウスがよく似合う
だけど、首のリボンは結べないみたい
「繭、結んであげる」
「うん」
リボンを結び、頭を撫でた
「ありがとう」
何でも出来るのに、リボンが結べないとか可愛すぎる
腕のフリルも可愛い
「何を描いているのかな?」
「ライブで使う楓のピアスのデザイン」
「もうもらったから大丈夫だよ」
「ダメ、僕がプレゼントしたい」
「わかった」
また、ありえない金額の宝石なのかな
「楓は何色が好き?」
「そうだな・・・」
赤と言えば、ルビーになるだろうし
青と言えば、サファイアになりそう
緑は、エメラルドかな
「黒かな」
黒なら宝石が無さそうだし
「黒、じゃブラックダイヤにする」
「えっ?」
そんなダイヤがあるとは知らなかった
「楓」
「ん?」
「自分でやったの?」
「何を?」
「舌のピアス」
「そうだね」
「じゃ、僕も」
「ダーメ!繭はピアスとか開けるのは禁止」
「どうして?」
「どうしても」
「わかった」
繭がピアス?
想像出来ないしね
傷をつけるのは嫌だし
「楓はどうしてピアスが沢山開いてるの?」
「嫌な事を紛らわせる為に痛みで忘れる事にしているから」
「じゃ、もう開けないよね?」
「開けない」
「うん」
と言うか、もう開ける場所が無いしね
「じゃ、少し寝るね」
「僕も寝る」
「うん」
仕事をする為に気を使ったけど、逆効果だったみたい
「楓」
「ん?」
「大好き」
「うん」
「大好き」
「俺も大好きだよ」
「うん」
繭は毎日大好きだと言ってくれる
不安なのかな?
「よっ!」
「翔、繭が寝てる」
「ごめん」
翔がたくさんのフルーツを持ってやって来た
「繭の事が心配じゃないかなと思って」
「うん、学園に行ってないみたいだし」
「それは大丈夫、生徒会も冬矢に任せてるし」
「そう」
「繭はめちゃ賢いから大丈夫」
「それは聞いた」
「へぇ、もう何でも話すようになったんだな」
「そうだと嬉しいけど」
「リハビリとかしてるのか?」
「一応ね」
「どう言う意味?」
「リハの先生が俺を触るのが嫌なんだって」
「あらら・・・繭ってさ」
「うん」
「物に固執しないんだよ」
「うん」
「楓を物と言うのは申し訳ないけど、初めてなんだよね」
「初めて?」
「繭が絶対手放さない物が出来たから」
「俺の事?」
「うん、今まで和海に全て奪われて来たからさ」
「そう」
「だから俺は嬉しいんだよね、人間らしくなった繭が」
その時、看護師がやって来た
「注射をしますね」
「お前、誰の差し金ですか?」
眠っているはずの繭が看護師の手を掴んで言った
「繭、どう言う事?」
「足音がいつもと違うと思った、こんな看護師は知らない、誰がここにお前を入れたのですか?言わないのなら殺しますよ・・・それともその注射をお前に刺してみましょうか?」
「い、いや・・・」
「じゃ、話して下さい」
「言えない、殺される」
「じゃ、死ねよ!」
そう言って翔があっという間に首を折った
「繭、どう思う?」
「ここには限られた人しか入れないはず、どうして」
「だよな、もしかして!」
翔が部屋を出て行った
「楓、ごめんね」
「大丈夫」
繭は眠っていなかったの?
それとも足音だけで気付いたの?
「まずいな」
「どうだった?」
「お前専属のドクターや看護師が殺されていた、今すぐ場所を変えないと」
「僕の病院はすぐにまたバレてしまう」
「じゃ、俺の別荘を使えばいい」
「別荘?」
「ドクターはこの際氷龍でいいだろ?」
「うん」
「楓、動けるか?」
「僕が」
点滴を抜き、抱き上げられた
そのまま、ヘリポートへ向かうと氷龍がいた
「翔の別荘もばれてるんじゃ」
「最近だーれも知らない所に建てたんだよね」
「そうなの?」
「うん、俺と氷龍しか知らない所だ」
「ありがとう、翔」
「行くぞ」
「うん」
まるでドラマだ
目の前で人は死んでいるし、ヘリもある
覚悟はしていたけど、俺はとんでもない姫を愛してしまったみたいだね
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