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風が気持ちいい
こんな日は昼寝に限る
大きな木の下で目を閉じた
木々の木漏れ日がキラキラと池を照らしていた
「何の用?」
「すみません、たまたま見つけたので」
「たまたまね」
「はい」
声を掛けて来たのは、和海だった
足音に気付けなかった
「そう言えば、和海はアーチェリーが得意だったよね」
「昔の事です、今は全く触れていません」
嘘をついている顔ではないような気もする
「少しお話を」
「何の話?記憶でも戻ったの?」
「いえ、記憶は・・・」
「じゃ、話は無いんだけど」
「翔、また昔のように笑って欲しいです」
「無理」
「何故ですか?」
和海にされた事を言っても仕方が無い
だから余計にムカつく
「昔の俺は素直な天使だったけど、今は悪魔だしね」
「何故そんな事を言うのですか?」
何も覚えていないって言うのは幸せだね
「翔、お願いです」
「じゃさ、和海が俺に敵意が無いと言う証拠を見せてよ」
「敵意などありません」
「言葉は信用しないんだ」
「ではどうすれば」
「自分で考えろ」
「翔」
言葉なんて信じない
だって人間は嘘つきだらけだから
和海はずっと考え込んでるし
「うざい!」
「教えて下さい、何故そんなに私を嫌うのですか?」
「どうしてだろうね」
「もし、私が翔を傷付けたのなら謝ります」
「謝るだけ?」
「何でもします」
「じゃ、死ねよ」
「死ねば許してもらえるのですか?」
「さぁね」
「わかりました・・・私は翔に笑って欲しいのです」
「・・・・・・・・・・」
「ナイフを」
「渡せると思う?」
「私が翔を殺すとでも?」
「信用していないからね」
「するわけ無いでしょ?昔から好きだった人なのに」
「それは初耳だ」
「ずっと、好きでした」
「返事はごめんなさいだ」
「仕方ありません、私を嫌っている事は知っています」
「こうしよう」
「?」
そう言って、生えていた草を無造作にむしり取った
「これは毒がある草、あとは好きにしろよ」
「わかりました」
それは本当
食べたら死ぬ可能性は高い
「信じて下さい」
そう言って和海は草を食べた
「ぐっ・・・」
マジかよ
本当に食べるとか
「翔・・・これで・・・」
「氷龍、解毒剤を」
「結局生かすのか?」
氷龍が傍に居るのは知っていた
「これで死なれたら夢見が悪くなりそうだろ」
「ほら、飲め」
和海の口の中に解毒剤を流し込んだ
「気を失ったぞ」
「死にはしないから大丈夫だろ?行こう」
「ああ」
倒れている和海を残し、その場を去った
まさか、本当に食べるとは思わなかった
本当に、和海は変わったのだろうか
「一応、冬矢に知らせておけ」
「わかった」
俺も甘いな
だけど、雲行きが怪しくなって来たしそのうち雨が降るだろう
肺炎で死なれても困るしね
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