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庭を歩いていたら翔が和海の部屋に居たのを見つけた
木の陰に隠れて様子を伺い、その場を後にした
和海の話は氷龍から聞いていた
解毒剤も余り効かないと言う事も知っていた
でも、さっき翔が和海に飲ませたものは間違いなく解毒剤だった
だって、あれは僕が作ったやつだから間違いないはず
「心変わり?」
記憶を無くした和海に心が揺らいだ?
確かに僕達は和海から酷い仕打ちを受けて来た
でも、和海もまた同じように父親から虐待を受けていた
「同情?」
そんな事を考えながら歩いていると・・・
「楓さん、ライブはいつですか?」
「ずっとお休みでしたが、どちらへ行っていたのですか?」
「会えなくて寂しかったです」
ムカつく
何度注意しても楓の周りにファンが群がる
「楓」
「繭、迎えに来てくれたの?」
「帰ろう」
「うん」
「それと・・・何度も言わせないで下さい、ここでは楓は生徒ですので」
「会長と言うだけで楓さんを独り占めとかおかしいです」
その言葉を聞いて楓が言った
「おかしくはないよね?だって俺達は恋人同士だから」
「えっ?」
「そうでしょ?繭」
「うん」
「おかしいよ、男同士で・・・しかも生徒会長なのに」
未だにそんな事を言われるとはね
「君、今の時代男同士だからとか女同士だからとか言わない方がいいと思うよ」
「だけど」
「愛し合っていれば誰が何を言おうとどうでもいいし、行こう繭」
「うん」
どうしよう
すごく嬉しい
繋いだ手が熱い
顔も熱い
「どうしたの?」
「楓」
「ん?」
「大好き」
「俺も好きだよ」
「うん」
ありがとうと言うのもおかしいと思った
だから、僕は素直な気持ちを楓に伝えた
「練習はどうだった?」
「うん、ギターを弾くのに支障は無かった」
「よかった」
「はい、これ」
「これは」
「ファンクラブ第一号様だけの特別チケット」
「宝物にする」
「宝物にしたらライブに来れないね」
「大丈夫、自分で買う」
「それって、意味あるのかな」
「ある」
「でも、1分で完売したけど」
「!!!」
「公式サイトに今日チケット販売って書かれてたけどなー」
「・・・・・・見逃した」
「だから、それを使うといい」
「そうする」
「延期したからお詫びを込めて、二日間ライブをね・・・だから今日はそのチケット販売だった」
「二日間?」
「うん」
「行く!」
「待ってるね」
「絶対行く!」
「うん」
「今夜のディナーはハッシュドビーフとサーモンのマリネ」
「美味しそうだね」
「早く帰ろう」
「わかった」
二日も楓のライブが観れるなんて幸せ
と言う事は、もう一つピアスを作らないと!
「楓、思いついた色を言って」
「色?」
「うん」
「夕陽が綺麗だからオレンジ色かな」
「わかった」
「ん?」
「お腹空いた」
「うん」
オレンジ色の宝石と言えばファンシービビッドオレンジダイヤモンド
今ならまだ間に合う
秘書に後で連絡して取り寄せてもらおう
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