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相変わらず、寮に帰ると翔は囲まれていた
仕方ないよね、人気がある人だし
ぼんやりそんな光景を見ていたら頭を軽く叩かれた
「いでっ」
「お前、何してんの?」
「えっ?」
「部屋に行くぞ」
「う、うん!」
翔は取り巻きを無視して俺と部屋に向かった
どうしよう、嬉しいな
部屋に戻り、制服を脱ぎながら翔が言った
「乗馬はどうだ?」
「うん、楽しいけど筋肉痛」
「明日は土曜だし馬に乗って裏山にでも行くか?」
「行きたい!でもまだ一人では乗れない・・・」
「俺と一緒に乗ればいいだろ」
「うん!」
「お弁当は任せた」
「任せて!」
もしかしてこれって・・・デート?!
なわけないか
「髪に葉っぱがついてる」
「ありがとう」
「どこでぼんやりしてたんだ?」
そう言って笑う翔
ドキドキする
「あのね、翔に話しても仕方が無いんだけど」
「何?」
「俺、冬矢と別れたんだ」
「へぇ、お前そんなに俺が好きなの?」
「えっ?」
どうして?とか聞かれると思ってたから焦った
「な、何だよそれ!」
「違うの?」
「からかわないでよね!」
「俺は真面目に聞いてるんだけど」
「えっ?」
どう言う事?
真面目にって・・・頭がぐるぐるする
「俺が好きだから冬矢と別れたのって聞いてるんだけど」
「だったら何?」
「・・・・・・・・・・・・」
「何その沈黙、傷付くんですけど」
「お前ってさ」
「うん」
「一途なんだな」
「違うよ、一途なら別れないし」
「成程、確かに」
「シャワー行って来る」
「待て待て、俺も行く」
「え?」
「お風呂の方がいいし」
「わかった」
どうしよう
今までなら意識しないで入れたのに、何だか今は恥ずかしいような・・・
「翔達もお風呂?」
「楓達もか」
「うん」
何となく安心した
「燕羽」
「繭君、どうしたの?」
「冬矢と別れたの?」
「えっ、冬矢に聞いたの?」
「違う、勘」
「あははっ、すごいね」
「別れたんだ」
「うん」
「翔には?」
「話した」
「一つ教えてあげる」
「何?」
「翔の言葉は冗談にも聞こえるけどみんな真剣に言ってる」
「そうなの?」
「うん、自分を偽らないから」
「そっか」
だとしたら、さっきの言葉も冗談じゃなかったんだ
からかわないでって言っちゃったけど怒ってないよね
「燕羽、先に行くぞ」
「あ、うん」
繭君も真剣な顔で言った
「翔の言葉には全て意味がある」
「わかった、ありがとう」
全て意味がある
だとしたら、少しは真面目に考えてくれているのだろうか
もう一度、ちゃんと告白したら答えてくれるのかな
だめだめ!冬矢と別れたばかりなのにそんな事は出来ない
「おーい、風邪ひくぞ」
「ごめん、行こう」
しっかりタオルを巻いて、浴場に向かった
「はぁー、気持ちいい」
「うん」
「冬矢と別れた事、後悔してんの?」
「違うよ」
「じゃ、どうした?」
「どうもしないけど」
「あそ」
「もしかして慰めてくれるの?」
「慰めて欲しいなら別れるなよ」
「はぁ・・・」
そうじゃないんだけどね
「後悔はしてないし、俺の意思で別れたんだし」
「いきなりどうしたんだ?」
「別に」
「反抗期だな」
「違うし」
「のぼせるぞ」
「うん、体を洗う」
「そうしろ」
いいな、繭君達は幸せそうで
恋人同士ってなんかいい
すごく羨ましいな
「先に出るぞ」
「うん」
急いで体を洗って湯船に浸かった
翔は、普段と変わらない
必要以上に聞いても来ない
それって、俺に興味が無いと言う事だよね
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