アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-
これでよしと!
朝早く起きてお弁当を作った
キッチンは寮のを使わせてもらった
おにぎりとサンドウィッチ、どっちが好きかわからないから両方作っちゃった
後は、翔が好きそうなものばかりたくさん
「夢じゃないよね?」
お弁当まで作って、夢だったらマジで泣く
「いい匂い」
「繭君、早いね」
「生徒総会の資料をまとめてた」
「そうなんだ」
ん?
なんかめちゃ見てるけど、食べたいのかな
「玉子焼き食べる?」
「食べる」
「じゃ、どうぞ」
「ありがとう」
「あと、サンドウィッチも」
「食べる」
「はい」
「ありがとう」
そう言って玉子焼きを食べた
「甘くて美味しい」
「じゃ、もう一つ」
「うん」
成程、これがハムスター食べか
何だか可愛い
サンドウィッチで頬が膨らんでるし
「ご馳走様」
「うん、早く休んでね」
「楓と一緒に寝る」
「あははっ、仲がいいね」
「うん」
「あとは、デザートかな」
「どこか行くの?」
「うん、翔と馬でピクニック」
「乗れるように?」
「ううん、翔に乗せてもらうんだ」
「よかったね」
「んふっ」
「じゃ、また」
「うん」
今まで書類をまとめていたのかな
楓さんとの時間の為に寝ないで仕事をするなんて、繭君って男前だな
「あっ・・・」
「そんな顔をするな、傷付くだろ」
「ごめん」
まさか冬矢まで早起きをするなんて
「お弁当か」
「うん」
「出掛けるのか?」
素直に言った方がいいのかな
黙っていてもバレるだろうしね
「翔が馬に乗せてくれるって言うから」
「・・・・・そうか」
「俺、乗馬クラブに入ったんだけど、まだ一人では乗れないから」
「楽しんで来いよ」
「ありがとう」
冬矢はそのまま玄関に向かった
散歩かな?
「そろそろ出来たかな」
冷蔵庫を開けて、色とりどりのゼリーを取り出した
「うん、固まってる」
お花をイメージして作ってみた
気に入ってくれるといいな
さて、全部バスケットに入れよう
「・・・・・・・意外とたくさんある」
これを持って馬に乗れるかな
どうしよう
「燕羽、そろそろ行くぞ」
「うん」
「まさか、その荷物全部?」
「あはは・・・やっぱ無理だよね」
「いや、行けるだろ」
「ふぇ?」
「行くぞ」
翔は、さりげなくバスケットを持って玄関に向かった
重いのに・・・優しいな
「裏庭に馬を準備してもらったから」
「でもどうやって乗るの?」
「任せろ」
そう言って翔が先に馬に乗った
え・・・俺は?
「ほら」
「え?」
「横座りをしてバスケットを持ってろ」
「わかった」
「ほら、こっちに来い」
「うん」
驚いた!
翔は俺を持ち上げて馬の上に座らせてくれた
「バスケットを落とすなよ」
「俺が落ちるかも」
「だったら俺にしっかり掴まれ」
「いいの?」
「いちいち聞くな」
「うん!」
どうしよう
これってお姫様乗り?
凄くドキドキする
翔の体に腕を回し、そっと抱き着いた
「落とすなよ!」
「なにそれ!お弁当の方が大事なの?」
「ばーか!」
馬を走らせながら翔は笑っていた
あいかわらず、綺麗な顔
横座りをしているから翔の胸が近い
上を見上げると、翔が見える
本当に王子様みたい
翔の腕の中に居る幸せをかみしめていた
「お前知ってる?」
「何を?」
「あそこに塔が見えるだろ?」
「うん、あれは?」
「あの塔の窓に居る奴と目があったら、その恋は実らない」
「それなら大丈夫!だって知らない人と目があっても好きにはならないし」
「そっか」
「ねね、行ってみようよ」
「本気?」
「うん」
「じゃ、行くか」
近くまで来ると、結構高い塔だった
「あっ!」
「何でいるんだか」
「俺達には関係無いね」
「だな」
窓から顔を出していた和海さん
一体何をしているんだろう
「翔」
「ん?」
「和海さんとの恋は実らないね」
「実らせたくもない」
「そうなんだ」
「と言うか、和海の後ろに冬矢もいたな」
「じゃ、言い伝えは本当かもね」
「今知ったくせに」
「いいの!」
翔はその場から離れるようにして馬を走らせた
でも、あんな所で何をしていたんだろう
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
130 / 169