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朝、目を覚ましたら燕羽が窓から外を眺めていた
「何見てんの?」
「翔、おはよう」
「おはよう」
「あのさ・・・」
「ん?」
「ん・・・・うーん」
「何だよ!」
「気のせいかも知れないし、そうじゃないかもだけど」
「意味が分からない」
「うん、昨日行った塔なんだけどさ」
「ああ」
「俺、知ってるかも」
「うん、それで?」
「うん・・・」
燕羽が口を閉ざした
気になるけど、待つ事にした
「翔はあの塔に登った事あるの?」
「あー、入学式の時に行ったような気もする」
「行ったの?」
「あの頃はまだ立ち入り禁止じゃなかったしね」
「そうなんだ・・・登ったんだ」
「だから何だよ」
「俺、入学式の日に迷子になってあの塔まで行った事があるんだ」
「どんな迷い方をすればあそこに行くんだよ」
「わからないけど、すごく疲れた」
「まぁいいや、それで?」
「その時、翔を初めて見たような気がする」
「え?」
「すごく綺麗な人だなってしばらく見ていたような」
「そっか」
「でね、翔が話してくれたのを思い出してたら悲しくなったんだ」
「大丈夫だよ、気にするな」
「でも」
「もうあそこには行かないようにしよう」
「ねぇ、俺と翔は別れるの?」
「あのさ、昨日付き合いだしたばかりで何言ってんの?」
「だって・・・・・」
「もしかしたら迷信かも知れないだろ?」
「そうだけど」
「わかった、あの塔が消えれば伝説も消えるな」
「え?」
「早急に取り壊す」
「・・・・・・・・・・」
「俺が信じられないの?」
「そうじゃない」
「なら、俺を信じろ」
「うん、信じる」
「それでいい」
「俺の事好き?」
「好きだよ」
「俺も大好き!」
そう言って抱きついた燕羽
ずっと、気にしていたのか?
「よし!朝食を食べて、今日はさぼるぞ」
「え?」
「買い物でも行くか」
「いいの?」
「俺がいいんだからいいんだよ」
「やった!行きたい」
「じゃ、早く着替えろ」
「わかった」
ライブに着ていく服が欲しいしね
後は、食べたがっていたスフレの店にでも行こうかな
「翔、さぼり」
「繭、俺と燕羽はさぼるからよろしく」
「ハネムーン」
「違うわ!街に行って来る」
「お土産」
「はいはい、美味しいメロンパンでいいか?」
「たくさん」
「了解!」
これで繭は大丈夫だな
もしかして、街でのデートは初めてかも
「お待たせ!」
「じゃ、行くか」
「うん、バス?」
「バーカ!車だ」
「翔が運転するの?」
「しません!」
門を出ると、車が見えた
「すごい!お金持ちの車だ」
「乗れ」
「うん」
燕羽を乗せて、俺も乗り込んだ
「広いねー」
「街に着くまで寝てろ」
「勿体ないよ!翔がいるのに」
「じゃ、起きてろ」
「うん!」
そして5分後、爆睡していた
「翔様、横浜方面でよろしかったですか?」
「ああ」
海も見たいし、中華も食べたい
なにより、燕羽の喜ぶ顔が見たかった
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