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夕食が終わり、俺達はわざと談話室で談笑していた
「珍しいですね」
「そうかな?まだ眠くない燕羽は相変わらず戻らないし」
「そうですか」
「ったく、まじで浮気か?」
「ところで翔、今日の放課後どちらへ?」
「何でお前に教える義務が?」
「繭は?」
「翔と生徒会の仕事、いちいちうざい」
「楓は?」
「ライブが近いからスタジオ」
「そうですか」
「一体何だよ!」
「いえ、ではおやすみなさい」
「おやすみー!」
和海が去った後、顔を見合わせた
「翔、あの塔だけど」
「うん」
「明日、取り壊すから」
「多分、音楽堂が使えないからあそこをウサギ小屋にしていたんだろうな」
「だから朝一で」
「うん」
あんな場所、無くなればいい
塔を見る度に思い出すなんて辛すぎる
「冬矢が来た」
「しつこいな」
「お前達に聞きたい事が」
「お前達?言い方が気に入らないな」
「翔、繭、放課後何処に居た?」
「生徒会室だけど」
「いなかっただろ」
「いたよ、ああ・・・途中で図書館に行ったかな」
「うん、調べもの」
「図書館にもいなかったぞ」
なんだこいつ
全部調べたのか?
「じゃ、すれ違いになったんじゃない?」
「冬矢、何が聞きたいのかわからない」
「わかった、もういい」
「あそ」
やはり和海より、冬矢の方がヤバい奴かもね
気付いていても知らん顔か
あのうさぎも可哀想な奴
「翔、見て」
「あのさ、もう拷問道具はいいって」
「牛」
「ああ、中に入れて火をつけるやつか」
「悲鳴が牛の声に聞えるのかな」
「知るか!」
「でもまぁ・・・あいつらは楽には殺さないけどね」
「じゃ、これ用意する」
「ん~、趣味じゃない」
「わかった」
でも、和海の悲鳴を聞きたい気もする
だけど、あいつは悲鳴なんか出さないだろうな
「もう少し騙されたふりをしよう」
「うん」
「俺は和海を落とす、そして更に奈落の底へ突き落す」
「僕は冬矢を」
「どうやって?」
「地面に埋めて、石を投げる」
「それってどこかの処刑だろ、それに気持ち悪い」
「言ってみただけ」
「そうしてくれ」
繭なら本当にやりそうだ
そして、次の日の早朝
塔が消えた
年代物だったみたいだけど、あんなものは無い方がいい
和海は、少しだけ残念がっていたように見えた
次の飼育場所はどこになるんだろうね
「この足音は冬矢」
繭の部屋に居た俺は咄嗟に身を隠した
「繭、いいか」
「何?」
「何故塔を?」
「老朽化が進んでいたから事故が起こる前に取り壊しただけ」
「そうか」
「事故が起こってからでは遅い」
「事故?」
「例えば、窓から落ちたりとか」
「成程」
「だから取り壊しただけ」
繭、すれすれを攻めるな
バレるだろ・・・
「でも、事故は起きていないから大丈夫」
「そうか」
「話はそれだけ?」
「ああ」
「じゃ、出て行って・・・臭い」
「わかった」
臭い?
冬矢が出て行った後、繭に尋ねた
「臭いって?」
「冬矢も和海と同じ匂いがした」
「そう言う事ね」
「やはり兄弟」
「そうだな」
冬矢もうさぎと戯れていると言う事か
ホント、クソ野郎だな
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