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何度考えてもわからない
これは何だろう
見覚えの無いポスターに生徒達が浮足立っているんだけど
「繭君、質問」
「そのポスターの事?」
「うん、前からこの学園でダンスパーティーなんてありましたか?」
「今年から出来た」
「出来たと言う事は、繭君が作ったと?」
「楓と踊りたい」
そ、それだけの理由で?
職権乱用とはまさにこの事だ
「しかも、生徒会は全員参加??」
「うん、だから和海も来る」
「お前、嫌がらせか?」
「冬矢は、都内の病院に入院したらしい」
「へぇ」
「だから、和海だけ」
「どうでもいいけどね、じゃ俺の相手は・・・と言う前におかしくないか?ここは男子校だけど?」
「関係ない」
「仕方ないから氷龍に」
「他の役員はくじで相手を決める」
「それって意味あるの?」
「無いと思う」
「じゃ、どうして?」
「こういう時ぐらいしか、翔と手を繋げない」
「誰が?」
「翔の事を好きな人達」
「ああ、そうだな・・・お前も気遣いが出来る子になったんだな」
「褒めて?」
「わかったよ」
俺が毎日、誰かを振り続けているのを知っていたのか
だからと言って、誰かを好きにはならないけどね
「くじは今日の放課後」
「あそ、俺くじ運だけはいいから心配はしてないけどね」
「うん」
そう、昔からくじ運はいい
だから今回もいいはず
「そろそろみんなが来る」
「繭もくじを引くんだろ?」
「会長は引かない」
「じゃ、楓は?」
「会長は好きな相手を選べるから楓は僕の物」
「それってさ、すごーーくずるいよね?」
「楓が他の人と手を繋ぐなんてダメ」
「俺はいいのかよ!!」
「うん」
なんてこったい!!
まぁいいや・・・
もうどうでもいい
・・・・なんて事を考えていた俺が馬鹿だった
くじ運はいいはずなのに、今回は外れた
「翔、よろしくお願いします」
「何でお前なんだよ」
「嬉しいです」
「あそ」
なんで和海なんだ?
意味が分からない
「では、私は病院に行きますのでまた明日」
「冬矢の具合はどう?」
「回復には向かっています」
「そうなんだ」
どうでもいいけどね
入院する程の怪我をしたのか
いい気味だ
楓は全く心配すらしていない
まぁそうだよな
みんながいなくなり、繭と俺と楓の三人になった
「繭、これはどう言う事だよ」
「翔にもっと夢中になれば、うさぎを飼わない」
「お前さ、それだけの理由かよ?さっき言っていた言葉と全く違うと思うんだけど」
「うん」
「と言う事は、お前が不正を?」
「会長だし」
「可愛くないなー」
他の生徒の事を考えていると思っていた俺がバカだった
繭はこういう子だった
優しさは楓にしかない奴だった
「確かに、繭の言っている事はわかるかも」
「楓は繭の味方だしね」
「そうじゃないけど、うさぎを飼わなければ繭も無駄な事をしなくてもいいと思うしね」
「まぁ、取り壊すのも金が動くし・・・一応俺の学園だしな」
今以上に夢中にさせるのかよ
一番ムカつく相手なのに
「僕、図書館に行く」
「一緒に行こうか?」
「すぐ戻るから」
「わかった、ここで待ってる」
「うん」
繭が出て行った後、楓が静かに言った
「翔の考えている事に乗ってあげたんだけど、気に入らない?」
「どう言う事だよ」
「翔は、和海を殺して自分も死ぬんだよね?」
「そうだけど」
「考えたんだけど・・・」
「考えた?」
「和海を一番苦しめられる事は何だと思う?」
「・・・・・・俺?」
「そう、和海が精神を壊すぐらいのダメージを与える事は出来るんじゃないかなって・・・多分翔はそっちの考えじゃない?」
楓は勘がいい
良すぎて嫌になる
「絶対、繭には言うなよ?」
「やっぱりそうなんだね」
「和海を殺す事よりももっと苦しみを与えられる事に気付いたからさ」
「止めたりはしないけど・・・俺は悲しいかな」
「ごめんね、でも燕羽と約束したから」
「うん、わかってる」
「だからダンスパーティーか・・・」
「そう言う事」
普通に考えて、俺から和海に話しかける事は無いし、手を繋ぐ事も無い
成程ね
「楓の考えはよくわかった、ありがとう」
「ううん、応援はしたくないけど頑張って」
「わかってる」
楓は最後の時に俺が何をするかもわかっている
だから、和海を今以上に夢中にさせる意味がある
「お待たせ」
繭が戻って来た
話は聞かれていないはず
「じゃ、帰ろうか」
「うん、翔も帰ろう」
「俺は、行く所があるから」
「わかった」
生徒会室を出て、氷龍と合流した
そして今の冬矢の容体を聞いた
「片目が失明ね」
「ああ」
「両目じゃないんだね」
「お前ならそう言うと思っていた」
心なんて痛まない
片目を失うぐらいどうと言う事は無いだろ?
命はあるんだしね
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