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次の日、和歌は私服でやって来た
「おはようございます」
「・・・・・・今何時だ」
「えっと・・・・8時かな?」
「早すぎだ、ゆっくり寝てから来ればいいのに」
「緊張して眠れなかったので」
「俺はまだ寝る」
「じゃ、検温だけ」
はぁ・・・
仕事熱心な奴だ
体温計を持った手を掴み、そのまま引っ張った
「あっ!」
「お前も寝ろ」
「え?」
「おやすみ」
逃げられてしまうかな?
でも、和歌は逃げなかった
「冬矢さん?」
「寝ろ」
「わかりました」
そのまま抱きしめながら、髪を撫でた
和歌は、すぐに腕の中で寝息を立てていた
「眠れなかったのは本当らしい」
俺も、これからは真面目に生きて行こう
こいつを泣かせたくはない
悲しい顔も見たくはない
「あっ・・・ホントに寝ちゃった」
起きたらしい
すご慌てている姿が可愛い
「もう少し寝ていろ」
「さすがにもう眠れません」
「そうか、じゃテーブルの上に昼食を用意したから食べろ」
「用意って・・・これ、有名店のイタリアンですよね」
「好きそうだったから」
「好きですよ、だから一緒に食べましょ?」
「俺はいい」
「いけません!食べますよ」
「わかった」
食欲は無いが、食べるしかなさそうだ
「ちょっ!患者さんなのにワインはダメです!」
「厳しいな」
「当たり前です」
「わかった、飲まない」
「はい」
そんなたわいのないやり取りが楽しかった
毎日、映画を観たり本を読んだりして過ごした
「昼寝をするぞ」
「また寝るんですか?」
「ああ」
「夜眠れなくなりますよ?」
「じゃ、ずっと居なければいけなくなるな」
「それは構いません」
「冗談だ」
「僕がいたいんです」
「えっ?」
「あっ、何でもないです」
「へぇ・・・俺が好きなのか」
からかうような事を言ってから後悔した
もう少し言葉を選べばよかった
「僕が好きにはなってはいけない人です」
「何故?」
「住む世界が違います」
「くだらないな」
「それに、ご存知だとは思いますが僕は男です」
「それもくだらない」
「くだらないって・・・」
「好きなら男でも構わないだろ?そんな事を気にするのか?」
「それは」
「住む世界が違うとか、馬鹿らしい」
「馬鹿らしいって・・・冬矢さんにはわからないんです」
「わかっているつもりだけど」
「・・・・・・・・・」
「俺と居れば住む世界も同じだろ?」
「えっ?」
「俺が護る、それでもダメか?」
「冬矢さん」
「俺はお前が好きだ、本気だ」
ダメなら開放してやるしかない
今フラれてもダメージは少ない・・・はず
「僕も、好きです」
「え?」
「ホントは、初めて会った時から好きだったのかも」
「和歌」
「こんなにドキドキしたのは初めてですよ?」
「じゃ、もっとドキドキさせてやる」
「え・・・んっっ・・・」
我慢の限界だった
和歌を抱き締め、激しいキスをした
絡めた舌が熱い
吐息も熱い
「激しいです・・・もう」
「嫌なのか?」
「嫌じゃないけど」
「だったら俺に全てを任せろ」
「ここは病院です」
「・・・・・わかった」
思い切りお預けを食らった犬みたいだ
仕方が無い
退院してからの楽しみにしておこう
「冬矢さん」
「何だ」
「遊びではないですよね?」
「当たり前だろ」
「はい、信じます」
本当に毎日が楽しかった
和歌がいるだけでよかった
幸せを初めて感じたような気がした
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