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毎日毎日、ダンスの練習
うんざりだ
「翔、いいか?」
珍しく氷龍が俺を呼びだした
「珍しいね、どうしたの?」
「面白い物を見せてやる」
「何?」
そう言って、冬矢の病室を映した動画を俺に見せた
「えっ?」
燕羽・・・ではない
でも、よく似ている
しかも、冬矢と一緒に居るってどう言う事?
「似ているだろ?」
「驚いた」
「でも、こいつは燕羽じゃない」
「うん」
「冬矢に復讐したくないか?」
「聞くまでも無いだろ」
「だな、和海はこいつの存在を知らない」
「へぇ」
「そして和海は今、冬矢の角膜を必死に探している」
「移植の話?」
「ああ、驚いた事にこいつの瞳は冬矢と同じ色だ」
「・・・・・・へぇ」
それ以上聞かなくてもわかる
本当に、人間は残酷な事を考えるものだ
「どうする?」
「聞くまでも無いだろ」
「任せる、好きにしろ」
「うん」
生徒会室に戻り、和海に言った
「そう言えば冬矢の具合はどう?」
「退院はまだ出来そうにありません」
「そっか、ねぇ・・・知ってる?」
「何をですか?」
「今度、冬矢のお見舞いに行ったら廊下に隠れてみてよ」
「どう言う意味ですか?」
「いつも冬矢しかいないでしょ?」
「そうですね」
「廊下で待ってると、和海にとって嬉しいものが見つかるかもね」
「え?」
「まっ、頑張ってね」
「・・・・・・・・・・・」
冬矢は和海には隠しているみたいだ
面白くなりそうだね
いつものように同じ時間に病院にやって来た
翔の言葉の意味が気になった
「冬矢」
「ああ」
冬矢しかいない
いつもの光景だ
「最近、元気そうですね」
「気のせいだろ、入院して楽しいわけがない」
「確かに」
しばらく話をしていつものように部屋を出た
廊下で立ち止まり、目立たない場所から病室を見ていた
何時間経ったのだろう
俺は翔に騙されたのか?
その時だった
「病室から?」
俺が行った時には誰もいなかったはずの病室から
誰かが出て来た
どこにいたんだ?
私服にも見えるし、制服にも見える
看護師か?
こちらに歩いて来る気配を感じた
チャンスは今しかない
翔は何が言いたかったのか
「ちょっとお尋ねしても?」
「はい、何ですか?」
そう言う事か
確かに驚いた
燕羽にそっくりな青年
しかも・・・・瞳が冬矢と同じ色
「病院の中にコンビニはありますか?」
「ありますよ、でもややこしい場所ですからご案内します」
「ありがとうございます」
誰もいない廊下を歩き、エレベーターに乗った
そして燕羽に似ている青年を気絶させ抱き上げた
「似ている・・・」
冬矢は隠していたのか?
いや、そんな事はどうでもいい
冬矢の目が見える様になればそれでいい
そのまま院長室に向かい、青年を差し出した
「やる事はわかっていますよね?」
「はい」
「角膜以外の臓器はお好きに」
「ありがとうございます」
「早急にオペを」
「わかりました」
これでいい
生かしておくわけには行かない
臓器売買は闇で行われている
死体は見つからないだろう
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