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繭達と朝食を食べていると、和海がやって来た
冬矢を失ったばかりだと言うのに、悲しくないのか?
「翔、おはようございます」
「おはよう、と言うかもう少し冬矢の傍に居てやれよ」
「いいんです、それよりも今日は日曜なので街に出ませんか?」
「悪いけど、遠慮しておくよ」
「何故ですか?」
「理由は無い」
「翔の為だと思ったのに」
「俺の為?」
「はい」
「和海は誰の心配をしているのかな?」
「もちろん、翔です」
「そうなんだ・・・ねぇ知ってる?」
「何をですか?」
「人の為と書いて偽ると読むんだよ」
「私はそんなつもりは」
「誰かの為にとか、貴方の為にとか言うけど
それって信じてもいいのかなって思うんだ」
「それはどう言う意味ですか?」
「心配だと偽って騙されるのはごめんだからさ」
「翔」
「もういいだろ?」
「・・・・・・・・」
そのまま席を立ち、部屋に向かった
繭達は黙って俺達の会話を聞いていた
そう言えば、燕羽と夢の話をしていた事を思い出した
綺麗な花が咲いている場所に住むと言う話だったな
人の夢と書いて儚いと読むのは悲しすぎるだろ
「翔、いいか?」
「氷龍」
部屋にやって来た氷龍が俺に伝えた事
だから葬儀に呼ばなかったのか
「死んでいないのか?」
「あの病院にいる」
「助かるの?」
「いや、脳死状態だと聞いた」
「和海は死にたい冬矢の願いすら叶えてあげないんだね」
「残酷な話だ」
「目を覚ます可能性は?」
「ほぼ無い」
「可哀相な冬矢・・・死ぬまで苦しむ事になるんだね」
「脳が陥没していたからほぼ死んでいるのと変わらない」
「それでも兄だから助けたのかな?」
「いや、冬矢の会社を乗っ取る為だろ」
「その為には冬矢の面倒を見ていると言う証拠が欲しかったわけね」
「そう言う事だ」
「どこまでも腐りきってるな」
「どうする?」
「取り合えず・・・・」
「取り合えず?」
「繭にあの病院を買い取ってもらうか」
「簡単に言うよな」
「そして冬矢を殺してあげよう」
「その為だけに?」
「和海の思い通りになるのはムカつくしね」
「お前もなかなか怖い奴だな」
「そうかな?繭の方が怖いと思うけど・・・そうだろう?繭」
廊下にいるのは気付いていた
だから聞えるように話をした
「翔、要するに僕はあの病院を買い取ればいい?」
「出来るか?」
「出来ない事は無い」
「だよな」
「そして冬矢を今度こそ殺すんだね」
「ああ」
「わかった」
「頼んだぞ」
繭が部屋から出て行き、氷龍も去った
「お前の事は好きじゃないけどこのままじゃ嫌だろ?」
完全に殺すには、病院を買い取り中の人間を全て排除して信用出来る奴を置くしか無いな
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