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謎の手紙
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遡ること数時間前……。
朝、幼馴染みの拓麻と学校に来ると靴箱に白い封筒が入っていた。
特に何も気にせず、その封筒を取り上靴を履き、先にいる拓麻の下へ向かう。
「紅葉その封筒何?」
「靴箱に入ってたのよ」
「紅葉ちゃん……それラブレターかもよ?」
「そんなわけ……いや待って……」
拓麻の言う通りラブレターの可能性はある。呼び出しの可能性もある。
前にもよくわからない手紙があって開けたらカッターの刃があって指を切ったことがあった。
だからと言って開けなければ万が一ラブレターだった時これを置いていった人が可哀想になる。が、どうなんだろう。
「おーい紅葉ー戻ってこーい」
「あ、ごめん」
私また自分の世界に入り込んでたのね。ついつい考え事に集中してしまうから。悪い癖なのはわかっているんだけどね。
「それ、開けてみたら?」
「そうね」
拓麻に促され開けようと思ったが、念の為、一通り封筒を触ってみる。
まぁ硬い感触はないので問題はないでしょう。。
封筒を開けてみると中には便箋。
便箋を開くと
上山紅葉くんへ
放課後、屋上で待っています。
と、とてもきれいな字で書かれていた。まるで教科書にでも載っていそうな字で。
「呼び出しか……名前ねーし。てか字がきれいすぎて男か女かすらもわかんねーなこれ」
「そうね」
「行くのか?」
「んー……」
どうしましょう。どっちの呼び出しかわからないから悩むわ……。
今までもこういうのはあって、いじめと告白の割合は五分五分だった。
いじめはまだわかるけど告白はよくわからなかった。
こんなオネエに告白する物好きなんて滅多にいないでしょって思うんだけどそれがいるのよね。まぁ揶揄いみたいな感じでしょうけど。中には本気の人もちらほらいたみたいだけど。仲良くしてた女の子が言っていた。女の子と付き合った方が普通にいいとおもうんだけど。
「紅葉ー?」
また自分の世界に入り込んでたみたい。本当、どうにかならないかしら。
「あら、ごめんなさい。そうね、行くわ。でもちょっと怖いから念の為近くにいてくれないかしら?」
「オッケーオッケー。紅葉ちゃん今までもよくあったからねー」
「ええ……本当怖かったわよ……」
いじめで呼び出された時は蹴られ殴られ切られまぁ色んなことをされたわ。
傷とか痣を誤魔化すのが大変だった。
骨を折られなかったのが不幸中の幸いね。
反抗しようと思ったのだけど、いくら私に技術があっても相手は数人係で私の体をがっちりと抑えてたから無理だったのよね。あんな経験は2度としたくないわ。
「いじめの方だったら助けてちょうだいね」
「もちろん」
拓麻がいるなら安心して行ける。
拓麻は昔から私に何かあると助けてくれた。
だから、そのお返しに私もなにかしてあげたいんだけど何も思いつかないのよねぇ……。まぁ勉強教えあげてるしいいかしら?
「紅葉、教室行こ?」
あら、ここ廊下だったわね……すっかり忘れてたわ。時間も結構やばいわね。現在時刻は8時15分……本令は8時20分に鳴る。 どんだけ立ち話していたんでしょう。ああ、恐ろしい。
「そうね、行きましょう。というか急がないとあと5分でチャイム鳴るわよ」
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