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双子
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Side 紅葉
──コンコン
拓麻との電話を切ってから数分後、誰かが私の部屋のドアを叩いた。
「紅葉ーお風呂空いたよー」
「あ、」
ドアを叩いたのは私の双子の妹の銀杏だった。
私はドアを開けて銀杏を呼び止める。
「銀杏!ちょっと待って」
「ん?どうかした?」
パパとママはなんとも思ってないみたいだけど銀杏は……気持ち悪くないかしら……。
呼び止めちゃったけど部屋に戻した方がいい?
「紅葉、私はなんとも思ってない。むしろ応援する。私も芽依と同類。OK?」
「あ、うん、はい、わかりました……」
心配はいらなかったみたい。
というか、芽依ちゃんと同類っていうことに少しびっくりしている。私たちは一卵性双生児で顔も身長もほとんど同じだけど趣味は全く違う。だから知らなくてもおかしくはない。
そんなことより服よ。
「紅葉服装に困ってる?」
「えっ?」
これ拓麻が聞いてたら「さすが双子」とか言うんでしょうねぇ。
「部屋の中が服で溢れてる。ていうか私を捕まえたのも服の相談するためでしょ?」
「え、ええ」
「入るよ」
私は銀杏に引っ張られて部屋に入る。
銀杏は積極的だけど私は消極的。こういう所も似てない。
「紅葉、ガッツリ女装しよう。パンツなんて履いちゃだめ。スカート履こ。そんでメイクもしよ。なんならネイルもする?生爪嫌だったら付け爪でもいいよ。髪の毛も朝セットしたげる」
「あの、銀杏さん?どこに行くかもわからないのにスカートはちょっと……。メイクなんてしたら引かれるでしょうし、ネイルも……ね?髪の毛はこのまんまでいいわよ」
「だーめ!やるって言ったらやるの!わかった?返事は?」
「はい……」
銀杏はやると言ったらやる人。だから嫌なんて言えない。
こんなことして嫌われたりとかしないわよね……大丈夫よね……。嫌われたらどうしましょう……。
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