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迷子になっちゃいました
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「う、わぁ……可愛い……」
今私たちはニモ……じゃなくて、カクレクマノミの前にいる。
これ……飼えるかしら?あぁ、でもダメだわ。名前が思いつかないもの。それにこれ以上水槽増やしたら洗うのが大変だしそれに──
「紅葉」
みーくんが私を呼んだ。
「なぁに?」
「あと15分……くらいでイルカショー始まるんだけど見る?」
「イルカ!見たいわ!」
「おっけ。じゃあ行くか」
「うん!」
また食いついちゃったわ……。
小さい頃初めて水族館に来た時もこんな感じではしゃいで最後には迷子になったわね。それで変な人に連れて行かれそうになったところでパパと銀杏が来てくれた。
それ以来、私は迷子にならないように必ずパパかママと手をつなぐようになった。
そしてもう大丈夫だろうっていう歳になり手を離すと迷子になってしまった。
まぁもっと周りを見ればいいんでしょうけどねぇ。
どうして急にこんなことを思い出したかと言うと私の周りには知らない人しかない。つまり迷子。
なんでこう毎度毎度迷子になるんでしょうね。不思議だわ。
いつの間にか迷子慣れしてしまった私は楽観視することが出来た。
それに、ほら、スマホがあるしね。便利だわ。電話をかければすぐ相手の居場所がわかっちゃう。
とは言っても気づかなかったら終わりなんだけどね。
とりあえずスマホを取り出し電話をかける。
が、出ない。
嘘でしょ……どうしましょう……。下手に動いたらすれ違っちゃうかもしれない……けど探さないと……!
この時私は気づかなかった。私の後ろをつけている輩がいることに──。
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