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隠された技
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Side 紅葉
焦っちゃだめよね。深呼吸深呼吸。
ほ〜ふ〜〜〜〜。
ん?これ深呼吸じゃないわ。ブレストレーニングね。でも落ち着けたからいいかしら。
さぁて、どこから探しましょうか。
とりあえずイルカショーの会場?でもいないのに気づいたら離れるわよね。戻りましょう。
戻ってきたけどやっぱりいないわよね。まぁそうよね。みーくんの方がもっと奥にいたわけだし。
もしかしたらもっと奥?行ってみましょう。
うん、いないわね。さーて次はどこに行きましょうか。宝探しゲームみたいで楽しくなってきちゃったわ。これも私が迷子慣れしているからね。
「オネーサン?オレらと一緒に遊ばない?」
「オネーサン1人で水族館って寂しくない?」
チャラチャラした2人の男が話しかけてきた。
こんな人たちさっきも見た気がするわね。最近の流行りかしら?
「オネーサン無視?」
「オレらと一緒に遊ぼーぜ」
面倒臭いわねこの人たち。そもそも私格好はこんなだけど男だし。
「おい、きーてんのか?」
「きーてねーな。ジツリョクコーシだ」
嫌な予感がする──と思った瞬間腕をガッと掴まれた。
「離してちょうだい!!探してる人がいるの!!」
「俺達も探してやるよ。──そのあとでたっぷり遊んでもらうけどな」
最後に何か言っていたけど周りの声で聞き取れなかった。
「さっ、探そうぜ」
あ、これ、投げれる……
「おりゃあぁ!」
──ビターン!!
男は綺麗な放物線を描いて床に勢いよくぶつかった。
すると、もう1人の男が私に掴みかかってきた。
「ふざけんじゃねぇぞ!!」
──ビターン!!
わざわざ投げやすいように掴みかかってきてくれて良かったわ。
周りではちょっと騒ぎになってるけど放っておきましょ。興味をなくしてる人がほとんどだし。
「紅葉!!」
人ごみの中からみーくんが出てきた。
その途端自分でも笑顔になったのがわかった。
「みーくん!!良かったぁ!もう会えないかと……」
「ごめん!ちゃんと確認しながら歩けばよかったな。今から行けばまだ間に合うと思うけどどうする?イルカショー見に行く?」
「行きたい!」
「じゃあ行くか」
そう言ってみーくんはするりと手を絡めてきた。
きっとまた迷子にならないようにでしょうね。
私は手にキュッと力を込めた。
この格好だとどこからどう見ても女の子に見えるから恋人っぽいことが堂々と出来ていいわね。
2人で歩いてイルカショーの会場に向かった。
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