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至って普通の家
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イルカショーを見終わった後は水族館を出て、近くにあったファミレスでお昼ご飯を食べた。その後はショッピングモールに行ってゲームセンターでプリクラを取ったり雑貨屋さんに入ってお揃いのストラップを買って──というよりは買われて──スマホにつけた。
楽しい時間というのはあっという間で気づいたら外は真っ暗だった。
「紅葉、帰ろっか。送っていくよ」
「そんな、いいのに……」
「今の紅葉は完璧に女装してどこからどう見ても美少女なんだから。いや女装しなくても可愛いけど。こんな暗い時間に1人で出歩いてたら変なお兄さんとか変なおじさんに誘拐されちゃうんだからね?」
「そういえば中2の時に誘拐されかけたことあったわね」
懐かしい。拓麻と芽依ちゃんと優香ちゃんと下校中に何故か私が男の人にてをひかれるんだもの。すぐに拓麻がやっつけたけど。普通攫われるのは女の子なはずなのにねぇ。
「ちょっと何その話!!危なすぎるんだけど!?お願いだから送らせてください!!」
誘拐されかけた話をするとみーくんがすごい気迫で言ってきた。
「ふふっ……じゃあお言葉に甘えて」
暗い夜道を二人で並んで、そして手を繋いで歩く。
家に着くまで話題は尽きることがなかった。
「みーくん、家着いたわ」
「え、待って、これ紅葉の家?」
「?そうよ?」
「ちょっと待って、家……はぁ??」
みーくんに何かが起きている。どうしたんでしょう。
「紅葉……家でかくない?」
「そう……なの?周りの家と比べたらちょっと大きい気もしなくはないけど普通じゃないかしら?」
うん、これが普通。
「いやいやいや絶対でかいよ……これ部屋いくつあんの?」
「10……以上はあるわね」
「あのなぁ、普通の家だと3つ4つが普通なんだよ」
「そんなに少ないの?」
「とか言って俺の家も6つはあるけども」
今まで行ってきた家でも部屋数は6つ以上あったから変な感じがするわね。
「紅葉ってお坊ちゃまなの?」
「え、えぇ??一般人だと思うけど?」
「あぁ……もういいわ……」
明らかに疲れたような顔をするみーくん。ここ数分のみーくんはよくわからないわね。
「じゃあまた明日な。紅葉ん家もわかったし明日は直接ここ来るから。風邪ひかないようにな」
「ええ。また明日」
バイバイと手を振りみーくんが角を曲がったところで家に入った。
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