アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
熱
-
私は今妖精と一緒に空を飛んでいる。
楽しいわ。綺麗な森を駆けたり、木の上まで行って寝たり、木から降りてお花摘みをしたり。
こんなに楽しいことってあるのかしら。体がふわふんして今ならなんでもできそうだわ。
ピピピピピピ…………ピピピピピピ…………
「ふわぁ〜……6時……いつもの時間に起きちゃったわね」
今日は学校休めって言われてたから早く起きる必要はなかったのに。起きちゃったのは仕方ないし、着替えて降りましょうか。
「おはよう、ママ、銀杏」
「おはよ──紅葉布団戻ろう?」
「え、どうして?」
銀杏が私の方を振り向いて挨拶を返したと思ったら急に布団に戻ろうと言ってきた。
どうしてでしょう。早く起きてきたのがだめだったのかしら?
「紅葉おはよう。熱計りなさい」
今度はママが温度計を私に差し出しながら挨拶をしてきた。
とりあえず熱計りますか。反抗するのもあれだしね。
「…………38.4℃……」
「銀杏、毛布持ってきて」
「はーい」
まさか熱があったとは思ってもみなかった。今日休むのもズル休みみたいで嫌だったけどちゃんとした理由ができて良かったと喜ぶべきなのか否か。
「幼なじみ3人には連絡したよ。あとはママが学校に連絡してくれればOK。あ、彼氏さんに連絡はした?なんならお見舞い来てもらえばー?」
銀杏がすごくニヤニヤしながら言ってきた。
みーくんに連絡はしなきゃいけないけどスマホは部屋に置いてきたし、熱があるとわかるとなんだか怠くて仕方ないから動く気になれない。それにお見舞いなんてこんな状態でみーくんに会いたくない。あと移しちゃったら申し訳ないから正直来ないで欲しいわね。
「銀杏ご飯食べて」
「はーい。てかパパは?」
「今日は仕事休みだからゆっくり寝てるよ」
「そーなんだ。いただまーす」
パパいるのね……いなくていいのに。いたらあの人心配性だからずっと部屋にいるんじゃないかと思って気が気じゃないわ。
「紅葉お粥作ったから食べな」
「ええ」
とは言ったものの動くのがすごく怠い。
やっとの思いで椅子に座る。
「いただきます」
出汁の効いた味で美味しい。
ママのお粥は具合が悪くなくても普通に食べられるくらい美味しい。
「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした。薬飲んでね。あ、あとパパに一応診てもらって。普通の熱だとは思うけど」
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
51 / 72