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冷やかし
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「フゥ〜!いっけめーん」
「はいはい」
拓麻が茶化すがそれをさらりと躱すみーくん。
男前すぎて心臓バックバクしてるわ。熱上がっちゃうじゃない。
「紅葉顔真っ赤。てか俺は紅葉様子を見に来たわけじゃなくて」
拓麻が鞄をガサゴソと漁る。
「テレレレッテレー!お届けもの〜」
鞄から出したのはA4サイズの茶色い封筒だった。
「先生からの預かりもの。家隣だったら渡してくれないかってさ。中身は学級通信と今日返ってきたテスト」
「俺は今日返ってきたやつ全部満点だったよ」
「流石ね。拓麻は赤点なかった?」
封筒を開け、中身を見ながら話をする。
「なんと!ないんですよ〜素晴らしいですね。ええ。この俺が赤点今のところないんだよ?神ってるわ」
「はいはい、そうですか。それは素晴らしいですね」
「え、ちょっとなにそのどうでも良さそうな言い方!紅葉が聞いてきたくせにー」
「ごめんなさい。……あ、私も全部満点だわ」
「これは引き分け説あるかもね」
「そうね。そうなった時のこと考えてなかったわね」
「じゃあ紅葉が元気になったら考えよっか」
「あぁぁぁぁそこの夫婦!人前でいちゃつくなよ!」
みーくんが私の頭を撫でていて私がそれに擦り寄っていたら拓麻に文句を言われた。
「失礼失礼。余りにも紅葉が可愛くて」
「さらっと惚気ないでくれるかなぁ。もうやだ。俺帰るわ。用事も済んだし」
「そう。じゃあまた明日?学校行けるかわからないけど」
「おう。さっさと治せよ。芽依が会いたいって騒いでるから」
「わかったわ」
拓麻が帰った。つまり、この空間には私とみーくん、2人きり。さっきよりもドキドキしてきた。
「紅葉横になってなくていいの?てか横になろう。頭重いでしょ」
「ええ……」
そう言われて横になろうと思ったらみーくんが頭を支えながら横にしてくれた。こういうのも男前でずるいなぁって思う。
「あんまり頑張りすぎないでね。紅葉は人と比べて何でもやりすぎちゃうから。特に最近は休む時間もなかったでしょ」
「そうでもないわよ。一応休めてもいるわ」
「自分ではわからないだけかもしれないよ?」
「それはわからないわね」
不思議なことに自分のことは自分が1番わかってそうでわからないものだ。
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