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5月1日
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春の終わりがが来ると怖くなるのです。
叔父さんを愛していた僕はいけない子です。
親戚関係であるにも関わらず恋心を抱いてしまっていた僕は許されざる子です、母の歳の離れた弟に恋をする親不孝者です。
一人子である僕は小さい頃から一番の遊び相手が叔父で、自身が小学生の頃になると叔父はもう大学生だったと思います。
叔父と沢山話をしたくて、僕は勉強をとても頑張っていたのです。
良い成績を取れば褒めて貰えるし、沢山の物事を覚えれば叔父との会話が盛り上がるのを幼いながらに感じていたのでしょう。
忘れもしない叔父が新社会人になった年、お祝いを家族団欒でしました。
僕はお小遣いとお年玉で貯めたお金でネクタイを買ってプレゼントしました。
叔父は僕の誕生日に好きなものを買ってあげようと言うので、僕は。
僕は、叔父にハグを強請りました。
そんなことでいいのかと笑った叔父が僕の顔を見て驚いたあの顔が今でも焼き付いて離れないのです。
真剣な綺麗な顔が、忘れられないのです。
そして、頬にキスをしてくれました。
僕が期待と歓喜と希望とを持ってしまったその翌月、叔父は亡くなりました。
交通事故でした。
道路に飛び出してきた子供を避けようとしたら、その子供を庇って飛び出してきた両親諸共。みんな一緒に亡くなったこどもの日。
あの日が嫌いで嫌いで嫌いで。
僕の誕生日と半月も変わらないあの日、僕は自分の誕生日さえ疎ましく思えてなりません。
もうすぐあの日が来る。
あの日は毎年恒例のあの場所へ行ってお花をお供えして両手を合わせて来なくては。
帰ってきたら寝ずに星を観察して、そうすれば会えるかもしれませんよね。
こうして懺悔する日々で許されるなんて思っていません、忘れないように、ずっと戒めるために、書き記しておこうと思うだけです。
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