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2月13日
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言わない、冬。言ってはいけない、冬。
季節を巡っても巡っても、僕はいつだって彼の声を絵を、全てを曖昧にしてきました。
彼の視線が真っ直ぐ過ぎて痛い。
その透った声が僕の心を突き抜けてくるのが怖い。
僕の心音が声に出てしまう事が怖いから、僕はいつも彼の前で笑う事しか出来ませんでした、それはきっと僕が彼の事を想うことが、その気持ちこそが後ろめたいと思ったからなのでしょう。
僕は、まだ幼いながらも沢山の事を吸収しようとする彼に、色々な事を教えてあげたかったのです。
叔父さん、きっと貴方もこんな想いを僕に抱いてくれていたのでしょうね。
彼が、僕に似ていたから色々守ってあげたかっただけなのに、僕はこうしてまた罪を重ねていくのです。
僕はまた、してはいけない恋をしてしまいました。
彼に同じような想いをさせてはいけないのに、男同志で認めてもらえないことも苦労することも傷つくことも僕が一番身を持ってして良く知っていることなのに。
どうして僕は彼を苦しめるようなことしか出来ないのでしょうか。
彼には未来があって、あの愛くるしい人格をもっと沢山の人と繋がっていくことで築いていくべきだと思うのです。
僕は彼に内緒で進路を変更しました。
これを、時が来たら彼に届くように置いて行くことに決めました、彼が僕のようなつまらない人間になってしまわないように、賢い彼が僕を反面教師にして生きて行ってくれるように。
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