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「じゃあさ、ボクがヒナタくんと同じ部屋になるよ」
狛枝から訳の分からん提案をされたと気づいた時には、否定できない雰囲気になってしまっていた。
というか、こいつがクロだったらどうすんだ?つかヤバくない?俺。
クロを恐れるより、むしろグループを作って固まっていたほうがよいだろう、という古典ミステリの古典密室王道な流れに気づいたとしても、全てが遅い。
俺は狛枝と同じコテージに寝泊まりすることになってしまっていた。
「ハハ、さすがにボクだよね。ヒナタくんと一緒になりますように、って考えながらクジを引いたんだ」
邪気のない笑顔というより、捕え所のない表情。こいつはしょっちゅう笑顔を見せてはいるが、いわゆる笑った顔なだけであって、笑っている訳ではない、と最近俺は気づいたのだ。本当に遅すぎる。
「お邪魔しまあす」
荷物を持って、部屋に入って来る狛枝に違和感を覚える。何と言うか、もじもじソワソワとしているように見えるんだ。
「狛枝、お前俺になんか言いたいことがあるんじゃないか?」
ここに来て、やたら他人の顔色をうかがうのに慣れてしまった自分に辟易する。
どうしようかな、という表情をする狛枝に畳み掛ける。
「言いたいこと、あるなら言っておいてくれよ。これから共同生活するんだから」
「…言っていいの?」
珍しく、意見をいいよどむ狛枝を見て、俺は手を広げてため息をついた。
「お前らしくもない。なあ、早く言ってくれよ」
じゃあ言うね、と言いつつ、片手を口元に当てて思案顔の彼に、詰め寄った。
次の瞬間、バックステップで飛びのくことも予測せずに。
「ヒナタくん、ボクのセフレになってくれない?」
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