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第82場 つくもとエレアの学校
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【第82場 つくもとエレアの学校】
(昼頃 屋上)
(エレアが免許の教本を顔に乗せ、ベンチで寝ている)
バサバサバサ
エレア:「え?なに?」
つくも:「久しぶり」
エレア:「久しぶり…じゃねーよ!
なんだよこの大量のつくっつき虫!」
つくも:「それは、怒りのオナモミ爆弾だ。」
エレア:「は?意味わかんねー。
ってか、すげーくっついてて、取れねーんだけど。しかもなんでこんなめちゃくちゃ大量なんだよ。」
つくも:「それは、俺の怒りを表している。
一つ一つ取ることで、反省しろ。」
エレア:「だから!意味わかんねーつーの!
くそっ。取るのめんどくせーっ。
なんだよ怒りって。」
つくも:「お前が俺ん家を勝手に他人に教えたからだ。」
エレア:「は?他人?
あぁ、ハル兄?他人じゃねーじゃん。」
つくも:「血の繋がりも、法的関係もなければ他人だろ?」
エレア:「お前そーやって、わざと壁作ろーとするのやめろよな。くそっ。オナモミ取れねー!
んで、あの後ハル兄来たのか?」
つくも:「2回来た。」
エレア:「ちゃんと出たんだろうな?」
つくも:「2回とも出てねーよ。」
エレア:「なんでハル兄そこまで避けるんだよ。」
つくも:「それは俺が道を模索してたのと、ある人から言われて腹をくくる準備期間だったからだ。」
エレア:「全然意味わかんねー。
説明しろって言ってもしねーんだろ?」
つくも:「当たり前だ。
俺はオナモミ爆弾用のオナモミを集めるので、疲れてるんだ。」
エレア:「俺、お前と日本語で意思疎通できてるのか、時々不安になるわ。」
つくも:「なら英語勉強しろよ。」
エレア:「受験勉強だけで十分だ。
ま、でも将来的にはTOEIC勉強するけど。
って、そーじゃなくて。」
つくも:「なんだ?まだオナモミ大量に付いてるぞ。」
エレア:「テメーのせーだろ!
で、自由登校期間で、俺みたいに呼び出し補習ねーのに、わざわざ学校来たわけは?」
つくも:「ちょっとお前に聞きたいことがあったから。」
エレア:「俺に?LINEじゃなくて?
改まった話かよ?」
つくも:「これは真面目に聞くから、真面目に答えろ。後、俺に質問はなしな。」
エレア:「なんで嫌がらせ受けた上に俺だけ…
って言いてーとこだけど、なんかマジっぽいから、わかったよ。
俺に答えられることなら真面目に答えるし、質問もしねー。
で、なにが聞きたいんだ?」
つくも:「ハルさんってどんな他人だ?」
エレア:「どんな、って直で知ってるじゃん。」
つくも:「そうじゃなくて、ハルさんに関する情報と、お前から見たハルさんの印象を知りたい。」
エレア:「ハル兄ねぇ。
俺にとっては、ハル兄は物心ついた頃からいたから、まじで兄貴みたいな存在。
優しいし、俺とかかおのこと真剣に心配してくれるし、頼れる。
反抗しても怒らねーけど、いつの間にかほだされてハル兄のペースになってるから、喧嘩にもならねーな。
他の人にはどうか知らねーけど、冗談以外の泣き言は言わねー。
基本自分持ってるけど、押しに弱いヤツではある。自分より弱いヤツに頼られると、断れねーみたい。
後は超が付くほどお人好しなとこもある。でも自分で決めたことは絶対曲げねー頑固なとこもある。
こんなもんかな?」
つくも:「それは、お前から見たハルさんの印象だろ?情報は?」
エレア:「情報?難しいな。
昔から秀才で東大理Ⅲも余裕で合格。
大学在学中にTOEIC960くらい取ってる。
トヨタ入る時は、1次面接だけで後はパスされて入社って伝説っぽい感じ。
今は終英社の駆け出し編集者。
昔から女にモテてたけど、付き合った数は多くない。一回付き合うと長いから。
どんなことにも偏見は持たずに、まず自分で見て聞いて決める。
トヨタにいた頃から結婚資金貯めてたから、金はある程度持ってるんじゃないか。
あ、今の品川のマンションは瞳ちゃんと同棲っつっても1年だけど、同棲した時に決めた家で、賃貸。ま、分譲じゃなくて正解だったな。
瞳ちゃんと別れてからは、彼女いないはず。
あとは…うーん…なんだ?」
つくも:「サンキュ。もういい。
じゃ、ひとみさんってどんな人?」
エレア:「瞳ちゃん?やっぱ気になるの?」
つくも:「ハルさんにはお世話になったから、もし会うときあったら、失礼がないようにしないとだろ。」
エレア:「ふーん、まぁいいけど。
瞳ちゃんとハル兄は、ハル兄がトヨタにいた頃からの付き合いで5年くらい付き合ってたかな。
瞳ちゃんはトヨタじゃねーけど、なんかのプロジェクトで一緒になったとき出会ったらしい。
確か仕事はデザイン関係。なんのデザインかは知らねー。
フェリス大学のそこそこの学部出てるから、頭は悪くないはず。
ハル兄と付き合う時は、瞳ちゃんの方からで、瞳ちゃんの猛アタックでお付き合い。
結婚の話まで出てたけど、ハル兄が終英社に転職してからすれ違いが多くなって、破局。
簡単に別れたわけじゃなくて、ハル兄があまりに忙しくて、待ってる瞳ちゃんがメンタルやられちゃって、それ以上一緒にいたら絶対良くならないから、ってハル兄から別れを切り出した。
瞳ちゃんは最初嫌がってたみたいだけど、家族の反対とかもあったし、瞳ちゃんも仕事してたから、止むなくって感じかな。
後は、はっきり聞いたわけじゃないけど、ハル兄と別れた後に、彼氏できたって言ってた気がする。」
つくも:「サンキュ、参考になった。じゃな。」
エレア:「なぁ、お前ハル兄と何がったんだ、ってゆーか、ハル兄のなにが気に入らねーの?」
つくも:「別になんもない。
前も言った通り、人畜無害なタイプは初めてだったから、珍しかったけど、飽きただけ。
でも良くしてもらった恩は返さねーととは思ってる。」
エレア:「なら、ちゃんと会って話せよ。」
つくも:「エレア、もしお前に今いきなり、義理の兄とか弟ができたらどうする?」
エレア:「また意味わかんねー質問返しかよ。
んー、全然想像つかねーけど、家族になるなら、ちゃんと知りたいし、たくさん話す。
お互い納得いかなかったら、殴りあってでも、分かり合えるまでやり合う。
ボロボロになってでも一緒にいられるのが、家族じゃね?」
つくも:「エレアらしいな(笑)
今日はまじでお礼言っとく。Thanks.」
エレア:「一方的に話終わったの納得いかねーけど、つくもが素直に礼を言うのは珍しいから、許す!
だが、このオナモミの恨みは忘れねーからな!」
つくも:「Bye」
エレア:「くそっ。まだ取れねー!」
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