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今のこの状況はなんだろう。
僕は帰ろうとしてたところを彼に捕まり、
壁ドンをされていた。
彼は怒っているようで、
彼の顔を直視することはできなかった。
「不安なら不安って言ってよ。
そしたら俺も対処するから」
その言い方がやけに僕を苛立たせる。
「僕は、君に愛されてるんでしょ?」
上辺だけの言葉を言う。
本当は不安だと言っても、
彼に伝わることは無い。
本心を隠して笑ってみせる。
すると彼は僕の額にキスを落とした。
「うん、愛してる。俺にはお前だけだから。」
嘘つき。
頭の中がその一言で埋め尽くされてゆく。
彼からの「愛してる」は僕にとって、
不安にしかならない。
だけどそれを偽るには自分にも他人にも、
もちろん彼にも嘘をつくしかない。
「ん、嬉しい…僕も大好き!」
彼に愛してるとは言えない。
だってそれは、
嘘つきの言葉だから。
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