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CAGE3:少年の記憶と過ち21
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暁斗 side
直兄と一緒にプリンとミートソースを作った。
料理なんて久し振りで、楽しくて懐かしい気持ちになった。
母さんが生きていた頃はよく一緒に作っていた……もう随分前のことのようだ。
母さんが死んでしまってから、何年だっけ?
ずっと、ずっと暗い部屋に閉じ込められて、時間感覚がない。
学校へだって行けていない。
「暁斗くん?どうしました?」
ソファーに座ってボーッと考えていたら、ふいに直兄が顔を覗いていた。
「うわっ!?」
「すみません、驚かせるつもりはなかったんですが……」
「ううん、大丈夫。ちょっと考え事してた。」
直兄は少し目を細めて、僕の頭を撫でてくれる。
「何かあったら遠慮なく言ってくださいね。」
「うん、ありがとう。」
「倉橋さんが帰ってくる前にお風呂入ってしまいましょう。湯船は傷が染みるでしょうから、軽くシャワーにしましょうか。」
「うん。」
「一人で大丈夫ですか?何なら一緒にーー」
「ーーそれは大丈夫!」
直兄の言葉を慌てて遮ったら、クスクスと笑われた。
「そんなに照れなくてもいいじゃないですか。」
「だ、だって……」
直兄が男の人ってのは分かってるんだけど……
なんかこう……綺麗な顔してるからかな?
恥ずかしくなる。
「と、とにかく!一人で大丈夫!」
「そうですか?じゃあ何かあったら呼んで下さいね。着替えとかは用意しておきますから。」
どこか楽しげに笑う直兄に見送られ、俺は浴室へ移動した。
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