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CAGE3:少年の記憶と過ち42
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頭を撫でてくれる手が温かくて、僕は余計に罪悪感に苛まれた。
「ごめんなさっ……僕が…僕が一人にしたから……っ」
「違う。アンタだけのせいじゃない。だから落ち着け。今は暁斗を探す方が先だ。」
倉橋さんに言われ、込み上げてくるものを抑え込んだ。
「……警察が俺たちの事を知っていたと言ったな?」
「はい……暁斗くんのことも。」
倉橋さんは少し思案して、それから僕の腕を掴み、外へと動き始めた。
「あ、あの……」
「…情報を知っている人間なんて限られてる。」
慌ただしく外に出ようとしたところで、玄関に人影が入ってきた。
「そんなに慌てて何処へ行くつもり?」
そこには先程の警察官二人が行く手を阻むように、立っていた。
「……不法侵入で訴えるぞ。」
「だって開いていたんだもの。招かれているのかと思ってね。」
警戒心剥き出しの倉橋さんの手を引いて、こそっと耳打ちをする。
「この方達です、僕らの事を知っている警察……。」
倉橋さんはもう一度、警察の方へ視線を向ける。
「お久し振りね、倉橋 洋くん。と言っても君は私を覚えていないでしょうけどね。」
「……悪いが記憶にない。」
「そうでしょうね。あの時、君の目には何も見えていなかったもの。10年前、君に手錠を掛けたのは私だ。」
その言葉に、倉橋さんは少し反応を見せた。
「随分成長したな。」
「……暁斗の家を知っているな?」
倉橋さんは話に取り合う気はないようで、一方的に投げ掛ける。
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