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CAGE3:少年の記憶と過ち45
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「暁斗、どうしてそんなに悪い子になってしまったのかな?」
目の前に来た親父は右足を浮かせると、思い切り俺の腹に蹴りを入れる。
「ゲホッ…ゲホッ……」
あまりの勢いと痛みに一瞬呼吸が止まった。
また……
また始まってしまうんだろうか……。
あの地獄のような日々が。
終わりのない苦痛の時間が……。
やだ……嫌だ………俺は………
「……会いたいっ」
会いたい、帰りたい、あの場所に。
「洋兄ぃ……直兄ぃ……っ」
二人と幸せな時間を生きていきたい。
じわりと視界が滲んでいく。
「はぁ……暁斗、やっぱり悪い子になったのはあの二人が原因なんだね?確か倉橋 洋と立花 直だったかな?」
親父の口から二人の名前が出てきたことに、俺は目を見開いた。
「どうして、二人のこと知ってるの…?」
「教えてもらったんだ、お父さんのお友達にね。暁斗の居場所もその人が教えてくれたんだよ。」
うーん、と考えるように親父は顎に手を当てる。
「やっぱりあの二人はいらないかな。」
「ぇ………」
「暁斗が良い子に戻るように、あの二人には死んでもらおうかな。うん、それがいい。そうしよう。」
この人は何を言っているんだろう…?
「そんな、そんなの……あの二人は関係ない!」
「暁斗は何も心配しなくていいんだよ。お父さんがちゃんと消しておいてあげるからね。」
消えてしまう?
洋兄と直兄が?
そんな、
そんなの………
絶対にさせない。
だって二人は……俺が幸せにするって約束したんだ。
「ん?どうした?」
「ーーせない……」
「?」
「絶対にそんな事させない!」
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