アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
CAGE4:あの日の同罪ー倉橋 洋ー11
-
女が絶頂を終えた刺激で、俺も精を吐き出す。
「うっ………」
「ふふ、いっぱいイけたわね。でもまだよ、もっともっと貴方の愛をーー」
「やだ……やめろっ……もっ……」
「ーー口答えはよしなさいっ!」
大きく振りかぶった手にぎゅっと目を瞑り、衝撃に身構えたが痛みはいつになっても襲ってこない。
それどころか身体の上の重みが軽くなったように感じ、恐る恐る目を開けた。
視界に写る光景に俺は固まった。
先程まで俺の上で腰を振っていた女は床に転がり、俺との間には日向が立っていた。
俺を背に庇うように立ち憚る。
「にぃさんを虐めないで!」
俺よりも小さいはずのその背中が、この瞬間何よりも大きなものに感じて、不覚にも泣き出したくなった。
母親はゆっくりと起き上がると、俺を睨み付ける。
「また……また貴方ばかり……」
恐ろしいまでの憎悪を宿した瞳だった。
母親はのろのろと部屋から出ていく。
俺はその姿を呆然と見ていた。
急に目の前に立つ背中がくるっと、後ろを向いた。
真っ直ぐな日向の視線に晒されている自分が途端に汚く思えて、目を逸らした。
「あ……ひなーー」
言うか否か、俺の身体は温かな体温に包まれていた。
まだ薬の抜けきっていない身体には刺激が強いが、それよりも明らかに感じる安心感。
強張っていた身体から力が抜けていく。
「ひ、日向……?」
「にぃさん、ごめんなさい。」
「え………」
「僕の、僕のせいで………」
抱き付いてくる身体はまだ小さい。
「日向は何も悪くない。だから謝らなくていいんだ。謝る必要なんてないんだ。」
「違うよ。僕知ってるよ。いつもにぃさんが守ってくれてるって。いつも、いつも………だからごめんなさい。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
152 / 269