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CAGE4:あの日の同罪ー倉橋 洋ー16
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一通り話し終えて、息を吐き出す。
気づかぬうちに身体に力が入っていたようだ。
ベッドに身体を沈めると、投げ出していた手に滴が落ちるのを感じた。
それは横にいる俯いた立花から流れ出ているらしい。
手を伸ばしてそれを拭ってやるが、止めどなく流れ出す。
「…………泣きすぎだ。」
「だ、だって…」
「まあ、予想通りだけど。もう泣くな、昔の話だ。」
「うぅ………」
「もう大丈夫だ。……俺にはアンタがいる。」
「また、そう言うこと言って……っ僕の涙腺崩壊させる気ですね。」
泣きながら膨れっ面をするもんだから、思わず笑った。
「あ……人の顔見て笑うなんて酷いです……」
「ふっ……アンタは本当に飽きないな。」
ぐいっと腕を引いて、立花の身体をベッドへ乗り上がらせる。
「うわっ!?」
バランスを崩した身体はそのまま俺の上へと倒れ込んできた。
体勢を立て直そうともがく身体を、そっと抱き締める。
「く、倉橋さん?」
「少し、このままで。」
そう言えば立花は大人しく腕の中に収まった。
冷えていく体温を感じたあの日、もう二度と人の温もりに触れたくないと思った。
「……人の体温って安心して幸せになる、だったか?」
「え……?」
「そう言っていただろう?」
立花は目を丸くして俺を見る。
それから、ふわりと微笑んだ。
「はい。」
「……なら、俺は大丈夫だ。この先、立花が傍に居れば不安になることはない。」
今、俺は……
この温もりを心地よく感じ、求めている。
「そうだろう?」
問う俺に立花は再び目を丸くし、さらに顔を真っ赤にさせた。
「〜〜〜ずるいですよ、そんな風に笑うなんて。初めて見ました……」
「………笑っていたか?」
「……無自覚ですか。……あの、お願いですから僕以外の人にそんな風に笑わないでくださいね。」
「…嫉妬?」
「独占欲です!」
「ふっ、安心しろ。アンタ以外興味ない。」
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