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CAGE4:あの日の同罪ー倉橋 洋ー40
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小さな包みからは二組のピアスが出てきた。
どちらも同じものだ。
「ピアス……?しかも二組も…」
掌に転がるピアス。
僕も倉橋さんもピアスなんて開けていなかったはずだけど……。
「二つあるのはアンタと俺用ってこと。」
「でも僕も倉橋さんもピアスなんて開けてませんよ?」
「俺のはアンタに開けてもらう。」
「……え、ええ!?ぼ、僕がですか?」
「ああ、でもアンタは無理に開けなくてもいい。持っててくれるだけで。」
と、倉橋さんの手から追加で差し出されたのは、ピアスの穴を開けるためのもの。
「ほ、本当に僕が開けるんですか?」
「……ん。」
「こういうのは病院でやった方が…」
「だめ。アンタがやって。じゃないと意味ないから。立花のだって印、ちゃんとつけて。」
僕の、ものだという印………。
「それ……何か、いいかも……です。」
「ふっ、ほら早く。」
何の躊躇いもなく差し出される耳に、少し戸惑う……。
「い、痛くないんでしょうか……?」
「さぁな。開けたことないから何とも言えないな。でも平気だ。アンタが残す痕なら、それが痛みであっても大丈夫だから。 」
「そこまで仰るなら……。消毒液とか必要ですか?」
「ん、これを使う。消毒ジェルとスタッドだ。」
用意周到……どのみち僕に拒否権はなかったみたいですね。
ジェルとスタッドと呼ばれた小さな棒のようなものを受け取り、倉橋さんと並んでベッドに腰掛ける。
「それで穴を開けたら、スタッドにジェルを塗って穴に通してくれ。」
「わ、わかりました。では……」
いざ勝負と言わんばかりの心持ちで、倉橋さんの耳元へ手を近付ける。
「手、震えすぎ。」
「だって、怖いんですよ………。」
「大丈夫だ。勢いを止めずに音が鳴るまでしっかり通してくれ。」
「は、はい……それじゃあいきますよ?」
「ん。」
ぎゅっと目を瞑って、ピアッサーの針のような先端を倉橋さんの耳へと押し込んだ。
カチッと音がしたのを確認して、そろりと目を開けた。
「あ……開いたみたい、です。」
「ん。じゃあそれ抜いてスタッド入れて。」
「は、はい!」
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