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CAGE4:あの日の同罪ー倉橋 洋ー43
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洋side
すぅー……と寝息が聞こえる。
すっかり落ちてしまった立花の寝息だ。
極力抑えたつもりだったんだが……まあ、結果は見ての通りで……。
申し訳ない気持ちもあるが、煽る立花も悪い。
……目が覚めたら怒られそうだな。
“もう!だからダメだって言ったじゃないですか!ご馳走作りたかったのに……”なんて頬を膨らませて言うんだろう。
そんな姿を想像すると自然と笑えてしまう。
眠る立花の耳にソッと触れた。
光るピアスはシンプルながらも、しっかりとその存在感を示している。
「……好き………………愛してる。」
何気なく呟いたが柄じゃないなと口を塞いだ。
立花の身体を綺麗にしてベッドに寝かしつけてから、俺自身もシャワーを浴びた。
浴室から出るとちょうどインターホンが鳴り、来客を知らせてくる。
ここを訪ねてくる客なんて知れている。
無視してやろうとしたところでもう一度インターホンが鳴った。
出るまで鳴らすぞ、の意だろう。
あまり煩くされると立花が起きてしまうな………。
仕方なく玄関へと足を伸ばして、ドアを開けた。
「ーーやぁ、居留守は良くないよ。」
ドアを開けた先には想定通り上月の姿があった。
「それからそんな格好で出迎えて、相手が女性だったら変態で即通報だね。」
シャワー上がりだったため、上半身は何も身に付けず肩にタオルだけを掛けていた。
かろうじて下は着ていたが……。
「女なんて来ねーよ。」
「そんなこと分からない。君達のファンが訪ねてくるかも。」
「……馬鹿馬鹿しい。」
「冗談で言っている訳じゃないよ。君達はもっと周りの目を集めるんだってことを自覚した方がいい。」
何て言って顔を近付けてくる上月を押しやる。
「………くだらない。帰れ。」
「ああ、待って待って。はい、これ。」
と上月が差し出してきたのは小さな白い箱だった。
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