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CAGE4:あの日の同罪ー倉橋 洋ー49
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おずおずと右手を重ねる。
寒さのせいだろうか?
普段は温かい倉橋さんの手が今は冷たい。
握り返される力は強いのに優しさを感じる。
「……危険な目に合わせるかもしれない。」
ポツリと倉橋さんは呟いた。
僕は黙って隣へ視線を向けた。
「……アイツは、倉橋 春伊は俺に執着している。俺と一緒にいるアンタは良い標的だ。」
「……………」
「………だから、」
「ーー嫌です!」
倉橋さんの言葉を待たずして僕は否定の声を上げた。
「僕は嫌ですよ!離れません!危険な目だろうと何だろうと一緒にいますからね!僕は貴方を守ると決めたんです!」
危険だから離れた方がいい、そんな続きを想定しての言葉だった。
声を荒げた僕を倉橋さんは驚いた目をして見た。
「絶対嫌ですからね!」
「……ふっ、はははは」
「わ、笑わないでください!」
「あぁ、悪い。馬鹿にした訳じゃない。」
「……じゃあ、何ですか?」
倉橋さんは相変わらず肩を揺らす。
「だから、俺が守るからずっと一緒にいてくれるか?と言おうとしたんだが、いらない心配だったな。」
「ぇ………あ、なんだ……そ、そうだったんですか……」
何だかすごい恥ずかしい勘違いをしてしまった……。
「何かすみません……勝手に盛り上がってしまって…」
「……どうして?嬉しいよ。」
「うっ………そう言われると尚更恥ずかしくなってきます……。」
堪らず空いていた左手で顔を覆った。
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