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CAGE5:日常に潜む影3
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早速ケーキを口にした立花は幸せそうだ。
俺も一口食べてみたが、なかなかの甘さだった。
……このまま全部立花にやるか。
ケーキをテーブルへと置いてシャンパンに手をつける。
と同時に立花が俺へくるりと向き直った。
「どうしてケーキ食べないんですか!」
「……アンタにやろうと思って。」
「ダメです!食べてください!ほら、あーん」
立花の手に握られたフォークには一口サイズのチョコケーキが乗っており、口元に近付けられる。
「……いや、俺は。アンタが食ってるの見てる方がいい。」
「だーめ!はい、あーん」
「…………アンタ、酔ってるな?」
顔色は変わらないし、目が据わっているわけでもない。
……顔に出ないタイプか。厄介だな。
「酔ってないもん。」
……完全に酔ってるな。
「……俺には甘すぎる。」
「だめですか?どうしてもだめ?食べてくれない?僕のお願いでもですかぁ?」
…ああ、ほらな。嫌な予感はしていたんだ。
しまいには俺の上に跨がってフォークを口に押し付けてくる始末だ。
「食べて?」
「……………」
仕方ないと薄く口を開けば透かさず中へとケーキが入り込んでくる。
甘………。
「ふふふ、美味しいですか?」
「………甘い。」
「あ、このケーキの上に乗ってるチョコレートもあげますね!」
全く人の話聞いてねーな……。
「おい、いい加減にーーんぐっ」
「ーーはい、どうぞ」
俺の事などお構いなしに口へと入れられるチョコレート。
砂糖らしい甘さも合い余って堪らず顔をしかめた。
「ふふふ、倉橋さんが表情を崩すのって何かいいですね。僕だけの特権?」
「……もう充分だろ。そこどけろ。ベッド行ってもう寝ろ。」
「やーでーす。」
ムッと口を膨らませてケーキ皿をテーブルに置いた立花は思い切り抱きついてくると押し付けるようなキスをしてくる。
突然のことに呆けていた俺の隙を狙って口の中に舌が侵入してくる。
まだ残っていたチョコレートを舐めとるような動きをする舌は、普段の立花から想像できないぐらい積極的だ。
「んっ……ふ………美味しい…」
一度離れた立花はペロリと唇を舐めた。
「……アンタな……」
「ねぇ、倉橋さんもっと、して?」
「……………」
「してくれないなら僕が襲っちゃいますよ?」
「………立花、酒はもう飲むなよ。」
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