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「舐め…え??」
耳を疑うトクメイに、相手は再び声を荒げる。
「早くしろよ、このノロマッ!!右足が痺れるだろうがっ!!明日、会社に行けなくなったらどう責任とるってんだよ!!部屋から放り出すぞ、この腑抜けッ!!」
「は、はいぃぃぃ~っ!!」
トクメイは情けなくなるような甲高い声を発し、急いで四つん這いになる。
…四つん這いになったはいいが、トクメイは理性を捨てきれはしない。
「…舐めろよ。」
目前にはスリッパの白い裏面がある。…比較的新品に見えるが、経過観察なんかしたことないからトクメイにはこれが一年使用され続けたスリッパか一ヶ月しか間のないものなのか判断できない。
「舐めろっつってんだろ!!」
「~…っ!!」
大声で急き立てられ、トクメイは顔を顰めながら口を開き、舌を出す。…しかし、五センチほど突き出したところで恐怖にかられ、舌を戻してしまう。
「…おいっ!!」
怒気たっぷりの声と共に、一冬の足と履いていたスリッパが床に落ちる。スリッパの裏面に無数の米粒がこびりつく。
「…舐めろ。」
「え??」
まさか、と思ってトクメイが顔を上げると家主の男は満面の笑みでスリッパを再び持ち上げて命じる。
「この、マッズい家畜の餌をオレのスリッパから一粒残らず舐めとれっつってんだよ。…不快なんだよ、バカでもわかるだろう??家畜のゴミが足につくのは。」
ややあって、トクメイは声を発する。
「…はい。」
トクメイは両腕を震わせながら、滑稽に舌を突き出す。そのまま顔を動かして、スリッパの裏にねっとりと舌を這わせる。生理的な涙が、みるみる内に両頬を濡らしてくのがわかった。
「…全部口に入れろよ、家畜。お前、うめぇと思って、オレに作ってくれたんだよな??」
くつくつという、一冬の笑い声が聞こえてくる。トクメイは懸命に嗚咽を堪えながら、口内に米粒を運ぶ。米粒の在り処を知っているからか。口中には、何とも異様な味が広がっていく…。
ろくに見もせず、トクメイは三角コーナーに床に落ちてしまった焼き飯の残りを投げ入れる。虚ろな瞳で、シンクを確認するとおかわりが入っていたはずのフライパンが置かれていた。中には湯が張っている。…おそらく、一冬がおかわりの分も処分したのだろう。
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