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「え゛。」
顔を引き攣らせる一冬。
「…あ。」
何かに気がついたらしく、両手で口を抑える匿間。…匿間は再び、口を開く。
「え~、あ~、あの、ですね??…嫌っていうのは、付き合うことじゃなくて!!その…っ!!」
一冬の顔がふわっと和らぐ。匿間は胸の前に片拳を持ってきて、強く握り締めた。
「この三日、いや四日間。一冬さんが僕を救ってくれたんです。あなたと暮らした四日間は、僕にとってとんでもなく大切な時間です。い、一冬さんが言うみたいに全部忘れるなんて、とてもじゃないけど嫌です!!ぼっ、僕は…。」
匿間はふぅと息を吐いてから、言葉を紡ぐ。
「四日間の思い出も引っ括めて、あなたを愛してもいいですか??」
匿間の潤んだ双眸に見つめられて、相手はふっと口元を緩める。
「…当然だろ。」
次の瞬間。片腕を引かれた泣き虫は、一冬の腕の中にいた。
「一冬さん。僕…、もう豚じゃありませんか??」
一端抱擁を解いた一冬は、相手の両肩をぽんぽん叩く。
「…ああ。お前はもう、クヨクヨ悩んでいる豚じゃねぇよ。もう言わなくて済むな。」
「…??何を、ですか??」
「”豚よ、媚びへつらい給え”、ってな!!」
言い終えた一冬は、再度元同居人に抱きつく。
「あ~、好きだ。好き好き。本当に、好き。」
一冬に耳元で囁かれ、泣き虫は身悶える。
「い、一冬さ…。」
「早く食べちゃいたい。」
「ま、まだお昼だからダメですよ…。」
一冬は、元同居人の顔を見て吹き出す。
「真面目かよ。」
「…き、嫌い、ですか??」
「いいや??」
匿間を強く抱き直して、家主は囁く。
「むしろ、最高!!」
一冬が、恋人に微笑みかける。互いの視線が絡み合い、顔を見合わせた二人が笑い合う…。
〈豚よ、媚びへつらいたまえ!! END〉
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