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儀式と代償
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どれくらい眠っていただろうか。
棺を開けると、そのすぐ横でソワールがこちらを見つめていた。
意思の堅さが篭った瞳に、思わず溜息を吐く。
「そうまでするのか。」
「……ああ。」
「分かった。儀式の準備をするとしよう。」
手首の血管に沿ってナイフを入れ、血を逆五芒星を描く様に書いていく。
最後に燭台を左右に置いた台の上に豚の心臓を置き、真上から俺が使っていたナイフを振り下ろした。
そして俺が唱える付呪によって、豚の心臓が脈打ち始め、段々人の形を成してゆく。
出来上がったのは全身が焼け爛れた女の様だった。
顔も火傷が酷く、人相どころか歳すらも推測出来なかった。
儀式の一部始終を見ていたソワールに問い掛ける。
「お前が望んでいたものは、これか?」
恐怖に慄いているかと思いきや、その顔には恍惚とした表情が読み取れた。
「ああ………!受け取ってくれ!約束の血だ!!!」
言って喉を掻っ切ろうとしていた果物ナイフをはたき落とし、
その喉にむしゃぶる様に牙を突き立てた。
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