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お財布の行方
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「ちょ、手伝ってくんね!?」
「みんな手伝おうぜ!どうせ今日はこのまま解散だろ?」
6限なしの先生が出張で帰りは自分達でと言われていた。
碧海の言葉に僕らは頷く。
碓氷くんも多少の焦りを見せていた。
「俺は海道の机とか探すから、蒼月と雅はロッカーな!ほかの人はないと思うけど自分の机とかロッカーとかツーマンセルで探せ!!」
「了解〜」
「わかった。」
「探すぞみんな!」
口々に言いながら彼の財布を探す。
僕も碓氷くんと一緒に海道くんのロッカーを探す。
「ないな。」
ぼそっと一言碓氷くんが言う。
他の奴らも手分けして探しているみたいだがないみたいだ。
「ここにはないな…蒼月!雅!あったか?」
「いや、ここには…。」
「うん、なかったよ。」
碧海の問いかけに反応する。
すると、
「おい!ここにあったぞ!」
声のする方を見ると僕の机に数人いて、その中の一人が海道くんのものであろうお財布を持っている。
「神城の机の中にあったぞ。」
その言葉に僕は固まる。
疑いの目が僕に集まり、僕の心臓は飛び跳ねる。
「お前が盗んだのか?」
海道くんが僕の近くにくる。
胸ぐらを捕まれ疑いの目を向けられる。
「違う!僕はやってない!盗んでなんかいない!」
必死に弁解しようとするが、僕のつくえからそれが出てきた以上は僕が疑われる。
目が泳ぐ。
まともに顔を見れない。
「お前、5限いなかっただろーが。どこにいたんだよ!」
「お、屋上だよ!」
「戻ってきて盗んだのか?嘘ついてんのか?」
「嘘なんかついてない!!僕は屋上に居ていつの間にか寝ちゃってたんだ…起きた頃にはもう5限が終わる頃でっ!!!?」
「言い訳か!?」
胸ぐらを掴まれたまま突き飛ばされる。
ロッカーに頭をぶつけてくらっとした。
眉間に自然としわがよる。
僕は口を噤んだ。
「アリバイがないのはお前と、、、碓氷だけだ。」
海道くんはそう言いながらゆっくりと碓氷くんを見る。
僕は焦った。
このままだと僕か碓氷くんが犯人にされてしまう。
僕が罪をきせられるのは別によかった。
慣れているから。
でも、碓氷くんまで巻き込むのは嫌だった。
「碓氷くんは保健室だよ。保健室の先生に聞けばわかる。」
「じゃあ、お前だけだ。」
「……。」
「雅…。」
碧海が不安の目をこちらに向けていた。
僕は覚悟を決めた。
誰も名乗り出ないのなら仕方がない。
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