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何時までも一緒に
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太中です
死ネタです
【中也さん目線】
『やあ中也。今日一日どうだった?若しかして背伸びた!?なあんてね。中也はそのままで居てよ。私のためにさ。私はチビな中也、大好きだから。
私ね、中也の全部が好き。
夕陽を写したような橙色の癖っ毛の髪も、深海のような青い瞳の色も、コロコロかわる表情も、面倒見がいいところも、部下思いなところも、綺麗好きなところも、全部大好き。
君の好きなところを云っていたらきりが無いくらい大好き、愛してるよ。
なんてね!
又今度連絡するよ。
御休み、中也。』
俺は太宰の声を録音していた小型録音器(ボイスレコーダー)を切る。
「嘘つき…、又今度なんて、嘘の癖に…。」
今日は太宰の誕生日。
俺は太宰の携帯電話に連絡をする。
留守電話の機能が作動する。
「…よォ、太宰。一日お疲れ様。今日は首領に心配されてな。『まだ太宰君の事を引き摺っているのかい?』だとよ。あれから一年経つのにな…。」
今日は太宰の誕生日でもあるが、命日でもある。
「…手前が組織から消えた時だって、こんな思いはしなかった…。詰まんねェんだよ。一日一日が、地獄みてェな世界だ。
何故か?俺は手前を愛してるからだよ。
全部…全部大好きなのに…なんで逝っちまったんだよ…!」
一年前、彼奴は溺死した。
一人で身を投げたのではなく、女性も一緒だったそうだ。
正直、辛かった。
俺に、何度も「愛してる」っとか云ってた癖に、死ぬときは別の奴とかよ。
だが、この小型録音器(ボイスレコーダー)が俺の部屋に置いてあった。
仕事から帰ったときに、この声を聴くと、安心する。
そして、今日の出来事を太宰の携帯電話の留守電に入れる。
これが日課だ。
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