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続きです。
ピロン
電子書面(メール)が届いた。
太宰からだ。
俺は息を呑んだ。
恐る恐る画面をタッチする。
『やあ中也。今日で私が死んで一周忌だね。元気かい?
君の事だ、私が君の部屋に置いて行った小型録音器(ボイスレコーダー)を毎日聴いて居るんだろうね。思い浮かべるだけでにやけてしまう。私が一番心配なのは、君が浮気してないかだよ。其だけが心配だ。
ねえ、中也。会いたいよ…。私、凄く後悔して居るんだ。一緒に死んでくれる良い女性なのだけれど、中也とにしておけば良かったよ。
だから、中也…来てよ?』
巫山戯た野郎だ。
だが、悪くねェ案だ。
俺は台所にある睡眠薬を取る。昨日新しいのを買ったばかりだから、まだ沢山ある。
俺はその睡眠薬を口に含む。
入れ物にある睡眠薬の殆どを口に入れる。
いくら俺が薬に耐性があったとしても、この量なら死ねる。
頭がぐらぐらする。
俺は最後の力を振り絞り、寝台(ベッド)に乗る。
あぁ…眠い…。
永遠に起きられなくても…構わ、ない…。
太宰に、会える、なら…。
俺は目を閉ざす。
今、逝くから……治…。
おしまい
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