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手違いで配属された特別クラスでメスに堕とされそうになっている。
手違い
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「は!?!?!?」
普段静かな校長室からそこそこ大きな声が響く。その声に驚いて小鳥たちが忙しなく鳴きながら桜の木から飛び立った。幸いその日は春休みで校舎内はおろか職員室でさえ先生が2、3人いる程度で耳を痛める人間は校長1人ですんだものの、そんな話ではない。
「えっ、お、俺が特別クラスの担任ですか?俺今年が初めてのぺーぺーですよ!?」
「いやぁすまないねぇ…こちらの手違いではあるんだけど決定事項なんだよ」
間違えたのは学校側だというのに随分と呑気な話し方をする。被害者である新任教師の加藤翔貴は見えない汗をだらだらと流して焦っているというのに。なんでも似たような名前でベテランの先生がいたらしいのだが間違えて俺の名前で赴任が決定したらしい。そんな凡ミスあるのか。大丈夫か教育機関の上の方々よ。結局できるだけサポートする、給料も新任では考えられないレベルの高額で手を打つからと校長になんだかんだ言いくるめられ特別クラスの担任を引き受けてしまった。入室時の挨拶ですらお世辞にも元気とは言えない声であったのに退室時はもはや聞こえるか聞こえないか程度の声で挨拶をして出ていく。
まさか特別クラスとは…。深いため息をついてこれからのことについて考える。そもそも自分の赴任先が国内随一の名門男子校「桜華高等学校」だったことに違和感を持つべきだった。しかもその特別クラスとなれば校内でもトップレベルの秀才や天才が集う。卒業後は政界や海外でも名を馳せるような学者になった者もいるという。それを新人が、しかも俺が担当するなんて。
……嗚呼、荷が重すぎる。
「…はぁ」
再度深いため息をつく。ため息をつくと幸せが逃げるだとかそんなこと今はどうでもよくて、むしろこの状況が打開できるなら向こう5年は大きな幸せなんてなくてもいいとすら思った。
「……無事に1年終わればいいなぁ…」
そんな言葉は春の風にさらわれて一瞬のうちに消えてしまった。
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