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第1章 幼少期 出会い
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8月
長くて楽しい夏休みが後何日かで終わる
ヒグラシが鳴く頃、
3人の子供たちが遊び場で鬼ごっこをしている最中だった。
遊び場の隣には立派な一軒家と大きな雑木林が生えているだけで子供たちの声だけが響きわたっていた
『さーいしょーはグー
じゃーんけーんぽんっ!』
「よっしゃー、俺勝ち〜!涼はじゃんけんで負けたから鬼なぁ!」
ハリのある声の主が負けた少年に指をさしながら促す。
「えー…煌…汗かくから走るの嫌いなんだけど…それに煌は野生的で捕まえられないし、夏樹なんか簡単に捕まえられるし、面白くないよ…」
涼という少年は少し気だるげに話す
「あのさ涼君…俺はそんなに簡単に捕まらないよ。チビだからってあんまりなめない方が身のためだよ」
夏樹はムッとするでもなく声色ひとつ変えず睨む
冷静を装うがちゃっかり準備運動を始める
見た目は少女のように美しいが性格は強気で負けず嫌い
「おいっ!お前ら早く始めよーぜぇ!時間がなくなるっ!
ほらっ、涼早く10秒数えろよ!」
煌はせかせかと涼をはやし立てる。
「…あぁ、そっか煌の家は門限あるもんね。大変だね」
「はぁ…はいはい。じぁあ始めるよ〜
いーち、にー、さーん…」
涼はため息をつきめんどくさそうに数え始める
「よしっ!逃げるぞ夏樹!あっちに行くからお前はそっちなっ」
煌はニカっと笑い夏樹に指示を出す
「うん…わかったよこうちゃん」
夏樹が少し微笑んで返事をする
煌と夏樹は散らばって逃げていった
夏樹が遊び場の外の方に逃げて行ったので
煌は反対方向の雑木林の中に入った
「ひっく…うえーん…っどうしてっ…」
すると雑木林のもっと奥の方から子供の泣き声が聞こえきた
煌はその声がする方を探して見る
そこにはうずくまって座っている身なりの良い少年がいた。同じくらいの年齢の少年だった
「何やってんの、あんた?」
煌はその少年に不思議そうに声をかける
「っっ‼︎」
ズデンッ!
少年はびっくりしておもいっきり尻餅をついた。鈍い音がしたので結構痛たそうだ
「だっだれ…なっ…なんでここにいるんですか?ここは僕の祖母のお家の庭ですよっ…
……ここなら人こないと思ってたのに……」
泣いていた少年は煌の方を振り向きビクビクしながら聞いてくる
最後にボソッと何かをつぶやく
「ここお前んちの婆さんの庭だったのか…時々俺たちにお菓子とかくれんだよなあの人…
ふーん…孫がいたなんて知らなかった。」
煌は顎に手を当て納得するように頷く
「えっ…あっあのお祖母様とお知り合いなのですか?」
少年はやっと目を合わせては話しかけてくる
よく見ると綺麗な顔立ちで少年の瞳はとても澄んでいた
その姿はまるで本に出てくる天使のような雰囲気さえ漂わせている
汚れを知らない無垢な魂
「…まぁ…。
…ていうかさっきなんで泣いてたのあんた」
その少年と目を合わせているとなんとなく罪悪感を感じてしまい煌は目をそらす
そして話をそらすように泣いていた理由を聞いてみる
「べっ別にあなたには関係ないことです…」
泣きそうな顔をしながらそっぽを向く
「…なんかあんた喋り方が変…気持ち悪い。もっと普通に話せないのかよ」
そう言うと煌は眉をひそめた
「なっ…そんな言い方しなくてもっ」
少年はまた泣き目になった
「はぁー、たくっ男がそんなに簡単に泣いてんじゃねぇよ。それともあんた女なのか?」
煌は泣き虫な少年にふざけて言ってみる
「なっ…!ちっ違いますよっ
僕はれっきとした男の子ですっ
…僕はただ…。」
少年はかっと顔を赤らめて怒り否定し最後になにか言いかけたが言わなかった
「ごめん…そんなに怒るとは思わなかった。少しからかっただけだ…
でもやっぱり人前で泣くのはみっともないと思うんだ。」
煌は少し言い過ぎたと思い反省する
「それは僕もわかっています…だけど…っ」
なにかを言いたそうにするがまた言いかけただけだった
「どうしたの?悩み聞いてやるよ…」
煌は気になり優しい声色で聞いてみる
「っ…知らない方に悩みなんて教えられないですよ…」
またそっぽ向いて今度は顔を座ってた膝に埋めてしまう
「あぁ、そっか。自己紹介まだだったな!俺は煌、鮫島 煌だ。あんたは?」
煌は優しい口調で聞く
「……水瀬 恭弥です…」
埋めていた顔をすっと上げ弱々しく答える
「恭弥って呼んでいい?」
ニカっと微笑んで笑って聞く
「はい…えっと…鮫島さん…」
あたふたしながら恐る恐る煌の名を呼んでみる
「煌でいいよ」
煌は優しく微笑んでくる
「 ……こっ煌さん…」
恭弥は不敵な微笑みに動揺する
戸惑いを隠せず顔を少し赤らめて今度はしたの名前で煌のことを呼ぶ
「プッ…なんでさん付けなんだよ
俺の家の奴らみてぇ あははっ
同い年くらいなんだから呼び捨てにしろよ」
煌は面白そうに微笑んで笑った
「えっと…その、いくつなのですか?…」
恭弥は恥ずかしそうにする
そしてなんとなく聞いてみた
「俺か?俺は9歳。小学4年だ」
煌は胸を張り答える
「えっじゃあ僕の方が年上ではないですか……小学5年生です。」
恭弥は驚いた
大人っぽく見える煌は自分よりも年上かと思っていた
「見えないな…俺の方が年上かと思った。小さいなあんた」
煌は恭弥と自分の頭の上に手をやり身長を比べてくる
「…成長期がこないだけです…
それにこっ煌くんだって僕と同じくらいではないですか……」
恭弥はムッとし、張りやうように背伸びをしてみる
「俺はこれからこの林の木みたいにぐんぐん伸びるし!あんたなんか追いつかないくらい大きくなるよ」
ニヤッと微笑んできた
恭弥はその少年の笑顔が脳裏から離れなかった
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