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…
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…………………
休日に
僕は眼鏡と帽子被り、
変装して達哉くんに会いに行った
こっちには親がいるからバレてはいけない…
僕はただ達哉くんと話がしたいだけ…!
彼が通う高校を調べて校門前まで来てしまった…
これじゃあまるでストーカーだ…
学校が終わったのか校内から続々と人が出てくる
するとフワッと彼の匂いがした
一瞬でわかった、
達哉くんが校内から出てきた
しばらく見ない間に背が伸びていてスラッとしてますますカッコよくなっていた…
周りの女子たちは放って置かないだろうに…
でももう彼には違う番がいる…
だめだとわかっていても会いたい…。
きっと迷惑をかける
ズキッ
「っ!?」
彼を見ていたらすっと隣に美しい女性が現れた
わかっていたのに…胸が痛む…
達哉くんと一緒に美しい女性が腕を組んでる
幸せそうだ…
彼が幸せならそれでいいや…
多分あっちも僕の匂いで気づいているだろう
達哉くんは急に周りをキョロキョロ見出していた
僕のことを探しているのかな…
それだけでも嬉しい…。
僕は見つからないようにその場から離れた
自然と涙が出てくる…
心臓が痛い…苦しい…。
「ねぇ、達哉どうしたの?なにか探しもの?」
美しい女性は心配そうに達哉のことを見つめる
「えっ?いや…別に…何でもないよ…」
達哉はニコッと安心させるように微笑む
「そう?ならいいけど!
今日達哉の家に行ってもいい?」
ぎゅっと手を握りしめてきた
この人を不安にさせちゃ駄目だ…
「うん、いいよ」
達哉はその女性の手をそっと握り返し
恋人つなぎをする
…………今とても懐かしい匂いがした気がした
俺の大切な人…恭弥…
俺の我儘だけど…
できるならいつかお前を迎えに行きたい……
………………………
よし、決めた!
僕はこの子を産もうと思う…
誰にもバレないよう
1人で育てるんだ…。
お腹が大きくなりだしたら大きめの服を着ればいい…
あっでも、学生服だとバレちゃうかな…
その時になったら考えよう………。
………………………
月日は流れ
僕は選挙で勝ち2年生で生徒会長へとなった
お腹もだいぶ隠せないくらい膨らんできたがなんとかバレなかった…
他の妊婦さんよりもお腹の膨らみが小さかった…
まぁ、周りは僕をそこまで見てないのだろう…関わりたくないらしい…
それにしてもそろそろ陣痛くる時期なのにこないな…。
色々と忙しくて数カ月くらい病院に行けてないし…本当は毎週来るように言われてたけど…
今週の土曜日には行かないとな
体育も休み、極力動かないようにした
そして今日は僕が生徒会長になって初めての入学式
新入生たちに挨拶をする
こんな最低最悪な生徒会長なんて他にいないだろうに…
挨拶を終えて自分の席に戻り下を向いて苦笑する
お腹をなで
ぼそっと僕頑張ったよと報告する
そろそろ陣痛がきてもおかしくない時期
初めての事だらけで心配になってくる…
放課後になり廊下を歩いていると見覚えのある顔が2人並んで立っていた
「よぉ、恭弥久しぶりだな…」
煌は鋭い目つきで僕を見ていた
威圧感が凄い…
しばらく会わない間に煌くん変わったな…
まぁそれはお互い様だけど…
「…。」
僕は俯き目をそらす…
今更話すことないよ…
「っクソ!お前やっぱりムカつく!
なんか言えよ!こうちゃんが話しかけてるだろっ!!」
夏樹はイライラしながら怒鳴る
今にも殴りかかりそうな勢いだった
「…僕があなた達と話すことなんてありません…それでは失礼します」
冷たく言い放つ
逃げ出したかった
早くこの場から離れたい…
そして横からすり抜けようと移動した時
煌くんは僕の腕を力強く掴んできた
そこで初めて視線が合った
その瞳は僕の今までの醜いことをすべて見抜いてしまっただろう
しばらくして手を離してくれる…
煌くんは少し悲しそうな表情をしていた
ごめんね…煌くん…
君を裏切った…
でも君も僕を裏切ったよね…
僕は何も言わずその場から立ち去る
さよなら…僕の初恋。
夏樹くんとお幸せに…
チクッと胸が痛んだような気がした
僕にはこの子がいるから大丈夫…
寂しくないよ
そっとお腹を撫でる
少し動いているような気がした
僕は一人じゃない
それだけで幸せだった
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